母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ

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第8章

閑話 息子を追い出した母のその後 3

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カレス(樹里)の母の最後の話しを少しだけ。
短い話しに為ります。


 ̄ ̄ ̄ ̄


 カレスを追い出してから二年の月日が経った頃。
 残された親子は、ひもじくも何とか日々の暮らしを続けていた。
 息子と娘も以前よりは痩せて、毎日お腹がすいたと私に言ってくる。
 でも、そんなのは知らないわ!

「カレス…おまえたちの兄は、自分でなんとかしたわよ。おまえ達もなんとか自分でなさい!私にとやかく言わないで!」

 イライラするわ!

「そんな…だけど追い出したのは、母上ですよね?それに、親なら私たちにご飯を!食べる物を用意をしてください」

 仕方がなく助けの手紙を寄り親の伯爵の元へ、なけなしの金を使い人に文を持たせ向かわせたが……それきり伯爵家からは何も連絡はなかった。

 大方伯爵側が無視をしたのだろう。

 落ちぶれ貴族の文など届いても捨て置かれるだけが関の山だ。

 ホーマック家が管理する男爵家領地が、落ちぶれ始め領民も男爵領から逃げ出した頃…。

 アルクス王国から文が届いた。

 多分寄り親の伯爵が手を下したのだろう。
 国王陛下より届いた文には……除爵勧告と残った土地は子爵領に吸収されるとの内容で、直に屋敷と領地から出ていく様にと書かれてあった。

「そ、そんな……。なら私たち親子は何処に……」

 カレスを追い出してから、ユイラ達の環境はガタガタと音を立てて崩れて行った。
 なぜ?カレスを追い出したくらいで、こうも私たちが苦労をしないと為らないの?

 それにカレス以外の子供たちは、働きもせず毎日お腹が空いたと文句しか言わないし。
 正直…鬱陶しいったら…。

 ああカレスなら仕方ないと言って、狩りに出掛けて食料をもって帰って来てくれたのに。
 夫が出て行きカレスと二人の時には私を守ってくれてたわ。

 …カレスお願いよ帰って来て?
 私を前の様に助けて頂戴!

 ああ神様、カレスに戻って来てと伝えてください。
 出来れば前の夫と共に……カレスごめんなさい。
 お母様が悪かったわ!お願いよ帰ってきて。



 それからユイラと他の子供達は、子爵の計らいで女児は修道院に男児は………子爵家の下働きにと其々の人生を歩んで行く事に。
 そして、カレスの母ユイラは子爵の5番目の妾として生きて行くが………それでもユイラの人生は幸多くは無かった。

 これでホーマック男爵家の名は無くなった。



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