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第6章

第17話 走れ!

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「兄ちゃん、ありがとう」
「なんだよいきなり、気持ち悪いな。ほら、飯の支度するから、これを先に二匹に食わせてくれよ。二匹の皿はこれな!それと、水を一緒に出してくれよ」
「う、うん。分かった、これだよね?」
「そう、それだ。頼むな」

 さて、飯は何にするかな?キッチン狭いからなぁ~!
 今日はレトルトで、いいかな?
 なら、カレーかな?
 よし、ネットからカレーとご飯と野菜にトンカツの惣菜を出して。
 カイトと簡単に夕飯を済ませた。

 出した食事が、簡単でもカイトは懐かしいと言って涙を流して食べてたがね。(笑)


 さて、次の日もまた車で移動だ。
 リリデアまでは車どれくらいかな?
 馬車だと移動で、一ヶ月は掛かるだろうが車ならまぁ10日で着くかそれよりは短いかな?
 それでもトラブルがなければだがな。

 そう思って、車を走らせてると俺達の前に馬車が走ってるのが見えた。

「兄ちゃん?あれは、避けた方がいい気がする」
「だよな…一端止まるか?」
「そうだね。止まるなら、道を逸れてからの方が良くない?」
「そうするつもりだよっと!」

 そう言ってハンドルを切って、暫く走らせて車を止めて素早く車から降りて、アイテムボックスの中に車を仕舞った。

「餓鬼!レツとレオは?」
「急いで鞄に入れた」
「そうか……良かった。ここからは道を逸れて、林の中を歩くぞ!あれは貴族の馬車だったからな。見られてはないと思うけど馬車の後ろだったしな。それに、貴族に捕まったら厄介だからな」
「うん、そうだね」

 カイトと二人で、森を抜ける為に歩くが……だんだん歩くのが面倒に為る。

「餓鬼!」
「なに?兄ちゃん!ってかさっ!いい加減名前で呼んでくれない?俺はカイト!兄ちゃんが付けたんだろ?」
「……仕方ない。なら、カイト!」
「な、なに?兄ちゃん」

 お前名前呼んだくらいでそんなに嬉しいか?
 調子が狂うな。

「カイト久しぶりに、空に上がるか?」
「え?うっ、空にか?に、兄ちゃんそれは……遠慮したいなぁ……なんて?エヘ」
「はぁ~カイトお前は、相変わらず高い場所苦手なのか?」
「ま、まぁ……足は地に付いてた方が安心?するよ兄ちゃん」
「……ぶっ!お前は全く仕方ないな。なら仕方ない歩くか……」
「ええ、なんだよそれは!」
「嫌だって言うんだから仕方ないだろ?」
「ええ……俺の所為なのか?糞あの貴族め!」

 カイトの口が悪くなった……あ!俺の影響か?

「ま、このまま歩いて。違うルート探すよ、ってか不便だよな。あっ!」
「な、なに?」
「このまま歩いてくのは面倒だよな?だったら走って貴族の馬車追い越して、前に出るか?だったら、また車をだせるし。運動がてらだからお得感満載だ!」
「お、お得?なにそれ…兄ちゃん。兄ちゃんって偶にさっ、おかしな発想するよね?」
「おかしな……そうか?兎に角走って、馬車を追い越すぞ!」
「う、うん…分かったよ。走るん……だね?」
「ほら、行くぞ…の前に。ほら、身体強化の魔法だ!」
「……」

 今居る場所は雑木林の中だ。
 ここから林の中を走って、貴族が連れてる護衛に見つからないよう気を付け林の中を走る。

「に、に、兄ちゃん…ハッ…ハッ…未だ走るのかよ!」
「ったり前だろ!走れ、体力無いなお前!未だ馬車を越してないぞ?もう少し走れ!ほら」

 道が悪いし走りづらい。
 だが、偶に走るのも気分が良いもんだ…。

 しっかし…体力無いなぁ~カイトは。
 身体強化の魔法を掛けてやってあれかよ!
 と、呑気に走るジュリだが…カイトは後悔していた。

「(空の案を、却下するんじゃなかったあ~!)つ、疲れた……歩きたい!」





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