138 / 235
第6章
第13話 世の中は世知辛いんだ。
しおりを挟む
兄ちゃんに、何で俺を探すんだ?と聞かれてそう言えば何で兄ちゃんを探すんだっけ?
「ええっと、それは……アハハ。考えてなかった」
「なんだそれ?カイト、俺はここから下に潜って遊んで来る。お前は勝手に何処にでも行っちまえ!糞餓鬼!もう知らん!(神さん義理は果たしたぞ!もう知らない!)」
「い、嫌…まって、待ってよ!兄ちゃん。俺、兄ちゃんを探したんだよ?」
「だからなんで、俺を探すんだ?お陰でいい迷惑だよ」
「迷惑って……そりゃ、兄ちゃんには迷惑を掛けたけどさっ。俺ちゃんと兄ちゃんに謝りたくて。それに、預かった金も返したいし。後はまた一緒に、旅をしたいと思って。それに今なら、餓鬼だった頃より役に立てると思ってるんだ。家だって建てたければ、あの町で住めるだろうし。ギルマスもフェルトおばさんも待っててくれるし」
「……仲良しなのはいいんじゃねえの?俺はそんなもん、ぞっとするがな?それこそいい迷惑。ご遠慮したいもんだ俺を巻き込むなよ?」
「そんな、だって」
「だって、なんだ?俺はお前といる間に結構話して聞かせたよな?ま、覚えてるかは謎だけどな?」
「う、うん。覚えてるけど…」
裏切ったら、兄ちゃんの信用を失くす様な事をしたら誰であろうと許さないし、係わりは絶つと良く言ってたから覚えてるけど……。
餓鬼の俺には意味が良く分からなかったんだ。
フェルトおばさんに、兄ちゃんが言ってた話しをしてその意味を教えて貰って、漸くその意味が分かったのは13才には為った頃だ。
「だったら、もう俺に構うなよ。あの金使って、リリデアの町で平凡に暮らせよ。当分働かなくても十分暮らせる筈だろ。もう俺に構うなよ、裏切られるのはもうごめんだ。お前だって仲間に裏切られたんだ良く分かったろ?」
「だ、だけど……」
なんか駄々っ子と話してるみたいだ…。
昔の、ちびだった頃の俺だな。
兄ちゃん……進歩してないな…。
と、しみじみ思うカイトだ。
「さて、この話しは終わったな?なら、上…出口まで送ってやるから。後は自力で町まで帰れ。リリデアまでは少し離れてるが、ここは隣の国だ。そう日にちも掛からず、帰れるだろ?それと、お前を裏切った奴らは、ダンジョンの10階で転がして来た。後はあいつらの運次第だな」
「そ、それは……何処から突っ込んで良いのか…」
お前の返答なんて聞きたくないね。
「良いから行くぞ、そこら辺片付けるからテントから出てくれ。レツ、レオ、お前らもテントから出ろ」
「ガゥゥン!」
「ガゥ……」
「なんだ?お前ら…カイトと居たいのか?」
「「ガゥ~!」」
「ったく……仕方ねえなぁ~お前ら。だが駄目だからな?」
「ガウ!」
「ガゥゥゥン~」
二匹が唸ると俺にのし掛かって来る。
「や、やめろ…レツ重い、レオ服を噛むな!引っ張るなよ!破れる!」
「ガゥ………」
「聞き分けろよ?じゃないとお前ら山に帰すぞ?」
「兄ちゃんそれは、ないだろ?二匹は兄ちゃんが、テイムしてるんだからさっ」
「………だからなんだ?お前も早く出ろよ、ここ片付けるんだ」
「そんな、兄ちゃん!」
「そんなに俺と旅したいのか?今俺は旅なんてしてねえぞ?」
「だったら何してんの?」
「山にこもって悠々自適な一人暮らし。プラスこいつらと一緒にだよ」
「兄ちゃん……それはあんまりにも人と関わらなさすぎじゃない?」
「仕方ないだろう?レツとレオがこんなに大きいんだから、連れ歩くにも騒ぎに為るんだよ!」
「まぁ、それはそうだろうけどさ…」
「それに宿屋に泊まれないしな。どこにこんなに大きくなった魔獣を受け入れる宿があるよ」
世の中世知辛いんだぞ!知ってるのかよ!
「ええっと、それは……アハハ。考えてなかった」
「なんだそれ?カイト、俺はここから下に潜って遊んで来る。お前は勝手に何処にでも行っちまえ!糞餓鬼!もう知らん!(神さん義理は果たしたぞ!もう知らない!)」
「い、嫌…まって、待ってよ!兄ちゃん。俺、兄ちゃんを探したんだよ?」
「だからなんで、俺を探すんだ?お陰でいい迷惑だよ」
「迷惑って……そりゃ、兄ちゃんには迷惑を掛けたけどさっ。俺ちゃんと兄ちゃんに謝りたくて。それに、預かった金も返したいし。後はまた一緒に、旅をしたいと思って。それに今なら、餓鬼だった頃より役に立てると思ってるんだ。家だって建てたければ、あの町で住めるだろうし。ギルマスもフェルトおばさんも待っててくれるし」
「……仲良しなのはいいんじゃねえの?俺はそんなもん、ぞっとするがな?それこそいい迷惑。ご遠慮したいもんだ俺を巻き込むなよ?」
「そんな、だって」
「だって、なんだ?俺はお前といる間に結構話して聞かせたよな?ま、覚えてるかは謎だけどな?」
「う、うん。覚えてるけど…」
裏切ったら、兄ちゃんの信用を失くす様な事をしたら誰であろうと許さないし、係わりは絶つと良く言ってたから覚えてるけど……。
餓鬼の俺には意味が良く分からなかったんだ。
フェルトおばさんに、兄ちゃんが言ってた話しをしてその意味を教えて貰って、漸くその意味が分かったのは13才には為った頃だ。
「だったら、もう俺に構うなよ。あの金使って、リリデアの町で平凡に暮らせよ。当分働かなくても十分暮らせる筈だろ。もう俺に構うなよ、裏切られるのはもうごめんだ。お前だって仲間に裏切られたんだ良く分かったろ?」
「だ、だけど……」
なんか駄々っ子と話してるみたいだ…。
昔の、ちびだった頃の俺だな。
兄ちゃん……進歩してないな…。
と、しみじみ思うカイトだ。
「さて、この話しは終わったな?なら、上…出口まで送ってやるから。後は自力で町まで帰れ。リリデアまでは少し離れてるが、ここは隣の国だ。そう日にちも掛からず、帰れるだろ?それと、お前を裏切った奴らは、ダンジョンの10階で転がして来た。後はあいつらの運次第だな」
「そ、それは……何処から突っ込んで良いのか…」
お前の返答なんて聞きたくないね。
「良いから行くぞ、そこら辺片付けるからテントから出てくれ。レツ、レオ、お前らもテントから出ろ」
「ガゥゥン!」
「ガゥ……」
「なんだ?お前ら…カイトと居たいのか?」
「「ガゥ~!」」
「ったく……仕方ねえなぁ~お前ら。だが駄目だからな?」
「ガウ!」
「ガゥゥゥン~」
二匹が唸ると俺にのし掛かって来る。
「や、やめろ…レツ重い、レオ服を噛むな!引っ張るなよ!破れる!」
「ガゥ………」
「聞き分けろよ?じゃないとお前ら山に帰すぞ?」
「兄ちゃんそれは、ないだろ?二匹は兄ちゃんが、テイムしてるんだからさっ」
「………だからなんだ?お前も早く出ろよ、ここ片付けるんだ」
「そんな、兄ちゃん!」
「そんなに俺と旅したいのか?今俺は旅なんてしてねえぞ?」
「だったら何してんの?」
「山にこもって悠々自適な一人暮らし。プラスこいつらと一緒にだよ」
「兄ちゃん……それはあんまりにも人と関わらなさすぎじゃない?」
「仕方ないだろう?レツとレオがこんなに大きいんだから、連れ歩くにも騒ぎに為るんだよ!」
「まぁ、それはそうだろうけどさ…」
「それに宿屋に泊まれないしな。どこにこんなに大きくなった魔獣を受け入れる宿があるよ」
世の中世知辛いんだぞ!知ってるのかよ!
42
お気に入りに追加
707
あなたにおすすめの小説

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~
黒色の猫
ファンタジー
孤児院出身の僕は10歳になり、教会でスキル授与の儀式を受けた。
僕が授かったスキルは『眠る』という、意味不明なスキルただ1つだけだった。
そんな僕でも、仲間にいれてくれた、幼馴染みたちとパーティーを組み僕たちは、冒険者になった。
それから、5年近くがたった。
5年の間に、覚醒したスキルを使ってパーティーに、貢献したつもりだったのだが、そんな僕に、仲間たちから言い渡されたのは、パーティーからの追放宣言だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる