母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ

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第6章

第13話 世の中は世知辛いんだ。

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 兄ちゃんに、何で俺を探すんだ?と聞かれてそう言えば何で兄ちゃんを探すんだっけ?

「ええっと、それは……アハハ。考えてなかった」
「なんだそれ?カイト、俺はここから下に潜って遊んで来る。お前は勝手に何処にでも行っちまえ!糞餓鬼!もう知らん!(神さん義理は果たしたぞ!もう知らない!)」
「い、嫌…まって、待ってよ!兄ちゃん。俺、兄ちゃんを探したんだよ?」
「だからなんで、俺を探すんだ?お陰でいい迷惑だよ」
「迷惑って……そりゃ、兄ちゃんには迷惑を掛けたけどさっ。俺ちゃんと兄ちゃんに謝りたくて。それに、預かった金も返したいし。後はまた一緒に、旅をしたいと思って。それに今なら、餓鬼だった頃より役に立てると思ってるんだ。家だって建てたければ、あの町で住めるだろうし。ギルマスもフェルトおばさんも待っててくれるし」
「……仲良しなのはいいんじゃねえの?俺はそんなもん、ぞっとするがな?それこそいい迷惑。ご遠慮したいもんだ俺を巻き込むなよ?」
「そんな、だって」
「だって、なんだ?俺はお前といる間に結構話して聞かせたよな?ま、覚えてるかは謎だけどな?」
「う、うん。覚えてるけど…」

 裏切ったら、兄ちゃんの信用を失くす様な事をしたら誰であろうと許さないし、係わりは絶つと良く言ってたから覚えてるけど……。

 餓鬼の俺には意味が良く分からなかったんだ。

 フェルトおばさんに、兄ちゃんが言ってた話しをしてその意味を教えて貰って、漸くその意味が分かったのは13才には為った頃だ。

「だったら、もう俺に構うなよ。あの金使って、リリデアの町で平凡に暮らせよ。当分働かなくても十分暮らせる筈だろ。もう俺に構うなよ、裏切られるのはもうごめんだ。お前だって仲間に裏切られたんだ良く分かったろ?」
「だ、だけど……」

 なんか駄々っ子と話してるみたいだ…。
 昔の、ちびだった頃の俺だな。
 兄ちゃん……進歩してないな…。
 と、しみじみ思うカイトだ。

「さて、この話しは終わったな?なら、上…出口まで送ってやるから。後は自力で町まで帰れ。リリデアまでは少し離れてるが、ここは隣の国だ。そう日にちも掛からず、帰れるだろ?それと、お前を裏切った奴らは、ダンジョンの10階で転がして来た。後はあいつらの運次第だな」
「そ、それは……何処から突っ込んで良いのか…」

 お前の返答なんて聞きたくないね。

「良いから行くぞ、そこら辺片付けるからテントから出てくれ。レツ、レオ、お前らもテントから出ろ」
「ガゥゥン!」
「ガゥ……」
「なんだ?お前ら…カイトと居たいのか?」
「「ガゥ~!」」
「ったく……仕方ねえなぁ~お前ら。だが駄目だからな?」
「ガウ!」
「ガゥゥゥン~」

 二匹が唸ると俺にのし掛かって来る。

「や、やめろ…レツ重い、レオ服を噛むな!引っ張るなよ!破れる!」
「ガゥ………」
「聞き分けろよ?じゃないとお前ら山に帰すぞ?」
「兄ちゃんそれは、ないだろ?二匹は兄ちゃんが、テイムしてるんだからさっ」
「………だからなんだ?お前も早く出ろよ、ここ片付けるんだ」
「そんな、兄ちゃん!」
「そんなに俺と旅したいのか?今俺は旅なんてしてねえぞ?」 
「だったら何してんの?」
「山にこもって悠々自適な一人暮らし。プラスこいつらと一緒にだよ」
「兄ちゃん……それはあんまりにも人と関わらなさすぎじゃない?」
「仕方ないだろう?レツとレオがこんなに大きいんだから、連れ歩くにも騒ぎに為るんだよ!」
「まぁ、それはそうだろうけどさ…」
「それに宿屋に泊まれないしな。どこにこんなに大きくなった魔獣を受け入れる宿があるよ」

 世の中世知辛いんだぞ!知ってるのかよ!

    
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