15 / 235
第1章
第13話 人見知り
しおりを挟む
町に入るのには門番に身分証を見せないとならない。
それと一緒に、通行税を払わないと町にも入れないので門の前に並ぶ列の一番後ろに並んで順番を待つ事になる。
並ぶ列から返事の良く見ると、ここはそんなに大きくはない町だからすんなり入れると良いななどと考える。
しかし…カイト軽いね。
まああれだけ痩せてれば軽いのも分かるけど。
「コソ…カイト?」
こそこそと小声でカイトに話し掛ける。
「コソ…なに?」
「コソ…下りるかい?」
「嫌だ!抱っこ」
嫌だといってまたガッチリと首に抱きつかれる。
く、苦しい……
「コソ……カイト腕を離せ苦しい。でもそうか?」
「う…ん!」
おずおずとカイトの腕が俺の首から離れるが、参ったなこれ…抱いてても軽いから良いけど、片手で手続きしないと為らん。
こそこそとカイトと話して、町に入る順番を待ってると、前に並んでるオバサンに声を掛けられる。
前のオバサン、さっきからチラチラこっちを見て気にしてたしな。
「おや~お兄ちゃん、大きな子供を抱いてて、どうしたんだい?」
「ええ、弟なんですが……どうにも人見知りで。ハハハ」
「そうかい!それは大変だね!随分と大きな赤ちゃんだ!ハハハ」
豪快に笑うオバサンだが………やめて。
カイトが怖がるからさ!
それでなくても、知らない町の前で知らない人が居る行列に並んでるんだし。
驚かせるなよ!と言いたいが……
言える訳もなく俺が愛想良く笑うしかない。
「お兄ちゃん……」
小声で怖いと訴えてくるし。
「カイト大丈夫だよ!ほら!」
「おや? 坊主!怖がらせちまったかい? ごめんよ、オバサンはこの町にいる娘に会いに来たんだ!あたしの孫がその子ぐらいの子なんだよ。悪かったね」
「い、いえ別に。此方こそ、折角気にしてくれたのに、すみません。そうですか、お孫さんが。なら、会うのか楽しみですね?」
「ああ、楽しみなんだ………」
オバサンはまだ話したかったのだろうが、タイミング良く門番にオバサンが、呼ばれたのでなんとかオバサンから解放された。
「おい!次!」
「あら、あたしの番だ!僕達お先にね?」
手を振って門番の所に行ったよ……。
「ハハ、こ、怖かったね?」
「……うん。すごくこわかったよ」
自分達の順番を待つこと数分門番に呼ばれた。
「おい!次!こっちだ!」
「はい!ど、どうも……」
「おや、子どもだけか。おい、お前さん親はどうした? 身分証あるのか?」
「ええ、この子のは無いですが……私の分はあります。これです、親は……居ないです」
それだけ言って身分証を門番に渡す。
「ふむ……冒険者ね?」
「が……その子は?」
「ああ、弟です。少し体が弱くて」
「なんだ? その子の薬でも買いに来たのか」
「ええ、それとギルドで仕事をしようと思いまして」
「そうか?兄貴は大変だな。よし!いいぞ奥で銀貨3枚払ったら、町に入って良いぞ!」
「ありがとう。あ!門番さん、冒険者ギルドって何処に有りますか?」
「この道、真っ直ぐに行けば有るぞ」
「そうですか。ありがとう」
「おう、頑張れよ!兄ちゃん」
励まされてしまったが……。
ちゃんと兄弟に見えたかな?
それと一緒に、通行税を払わないと町にも入れないので門の前に並ぶ列の一番後ろに並んで順番を待つ事になる。
並ぶ列から返事の良く見ると、ここはそんなに大きくはない町だからすんなり入れると良いななどと考える。
しかし…カイト軽いね。
まああれだけ痩せてれば軽いのも分かるけど。
「コソ…カイト?」
こそこそと小声でカイトに話し掛ける。
「コソ…なに?」
「コソ…下りるかい?」
「嫌だ!抱っこ」
嫌だといってまたガッチリと首に抱きつかれる。
く、苦しい……
「コソ……カイト腕を離せ苦しい。でもそうか?」
「う…ん!」
おずおずとカイトの腕が俺の首から離れるが、参ったなこれ…抱いてても軽いから良いけど、片手で手続きしないと為らん。
こそこそとカイトと話して、町に入る順番を待ってると、前に並んでるオバサンに声を掛けられる。
前のオバサン、さっきからチラチラこっちを見て気にしてたしな。
「おや~お兄ちゃん、大きな子供を抱いてて、どうしたんだい?」
「ええ、弟なんですが……どうにも人見知りで。ハハハ」
「そうかい!それは大変だね!随分と大きな赤ちゃんだ!ハハハ」
豪快に笑うオバサンだが………やめて。
カイトが怖がるからさ!
それでなくても、知らない町の前で知らない人が居る行列に並んでるんだし。
驚かせるなよ!と言いたいが……
言える訳もなく俺が愛想良く笑うしかない。
「お兄ちゃん……」
小声で怖いと訴えてくるし。
「カイト大丈夫だよ!ほら!」
「おや? 坊主!怖がらせちまったかい? ごめんよ、オバサンはこの町にいる娘に会いに来たんだ!あたしの孫がその子ぐらいの子なんだよ。悪かったね」
「い、いえ別に。此方こそ、折角気にしてくれたのに、すみません。そうですか、お孫さんが。なら、会うのか楽しみですね?」
「ああ、楽しみなんだ………」
オバサンはまだ話したかったのだろうが、タイミング良く門番にオバサンが、呼ばれたのでなんとかオバサンから解放された。
「おい!次!」
「あら、あたしの番だ!僕達お先にね?」
手を振って門番の所に行ったよ……。
「ハハ、こ、怖かったね?」
「……うん。すごくこわかったよ」
自分達の順番を待つこと数分門番に呼ばれた。
「おい!次!こっちだ!」
「はい!ど、どうも……」
「おや、子どもだけか。おい、お前さん親はどうした? 身分証あるのか?」
「ええ、この子のは無いですが……私の分はあります。これです、親は……居ないです」
それだけ言って身分証を門番に渡す。
「ふむ……冒険者ね?」
「が……その子は?」
「ああ、弟です。少し体が弱くて」
「なんだ? その子の薬でも買いに来たのか」
「ええ、それとギルドで仕事をしようと思いまして」
「そうか?兄貴は大変だな。よし!いいぞ奥で銀貨3枚払ったら、町に入って良いぞ!」
「ありがとう。あ!門番さん、冒険者ギルドって何処に有りますか?」
「この道、真っ直ぐに行けば有るぞ」
「そうですか。ありがとう」
「おう、頑張れよ!兄ちゃん」
励まされてしまったが……。
ちゃんと兄弟に見えたかな?
96
お気に入りに追加
707
あなたにおすすめの小説

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる