上 下
574 / 574
第16章 

第17話 鑑定する。 2

しおりを挟む


 それから、何時間か掛けて騎士に採用できるだけの人を見つけた。
 けれど、ねぇ…これは良いのかしら?

 だって、ある程度鑑定をして分かったのだけれど。

「セルバス、不採用が多いし」

 自分が鑑定して書類を振り分けのたがねえ…。
 応募書類を視たものの、案外有能な人って集まらないものなのね?と、言うのが素直な感想なのよこれは一兵卒が妥当。

 それに兵士向きじゃないのが混じってて。
 応募の主旨がちゃんと伝わって無いような?

「そうねぇ……不採用が多すぎよね。採用する書類が少ないわ」

と言いなから、セルバス書類をペラペラ捲って私を見ながら、貴女…ちゃんと書類視てるのかしら?
 そう言う目をして私を見るけど…視てるわよ。疑わないで欲しいわ!私はちゃんと面倒でも視てるってば。

「でも、採用する書類を視ればね、ちゃんとした経歴よ。私の鑑定では問題ないわよ。まあ紙上ではだけれどね?」
「まあ、鑑定はあくまでも鑑定よね?所詮、人の心の奥までは、紙面上では視れないものね。あとは、目の前でちゃんと視てからよ」
「まあそうね、この人数ならそんなに時間は取られないと思うしね」

 三千人の応募の内、私の鑑定で白だった人は全部で八百人とちょっと。

 目標の千人は無理だった。
 書類を視ると、脳筋の人数が多いのが分かってげんなりした。


***


 そうして、鑑定が終り採用する兵士達を街の騎士団の訓練場に集めた。
 採用した騎士の中には、事務方向きの人もいたので、その兵士には騎士団の経理的な事をして貰う方へ回した。
 で、話は少し違うけれど、新しく採用した人は全部一兵卒の騎士だ。
 その平の騎士を纏めるのには絶体貴族、若しくはそれに値する地位がある存在、要は団長や副団長の存在が居る。
 その団長や、副団長を勤めて貰う方にはお兄様、アレクお兄様にお願いして騎士数人を推薦して貰った。
 その騎士たちに、部隊全体を視る団長や、小隊を率いる役付の隊長や副隊長に成って貰った。
 まあ、街にできた警察署みたいな感じと言った方が理解出来るかしらね?
 って、誰に言ってるのかしら?フフフ……。

 お兄様が推薦してくれた兵士は、お兄様率いる精鋭部隊から十人紹介されてその十人を鑑定した結果は、何も問題なかったので十人全員採用させてもらった。

 十人の兵士たち各々をちゃんと面談して、詳しい話をして騎士個人の役割を話し、仕事内容をちゃんと納得して貰うことに成功した。

 まあ、平の兵士から隊長職や副隊長をして貰うなんて話をしたら飛びつく人も居るわよ。
 中にはごねた人も居たけれどね。

 そんな訳で、採用する兵士と新しく隊長や副隊長の顔合わせを終わらせた。
 その他、諸々の隊の振り分けは各騎士団長に任せて、漸く街に常駐する騎士達が据えられた。

 これで街の安全面は落ち着いたかな?

 街の騎士団が出来た事で、ガウェインたちはやっと私の護衛に戻せる事が出来た。だから、このまま屋敷の警護や私やルースの警護して貰おう。

 街にはちゃんと役所も作ったしね。
 ギルドも常駐してるし、冒険者も流れて来てるし、商人ギルドも出来たりして益々街が繁栄してくれれば私も嬉しい。
 苦労して、作った街だから。


 これで、漸く一段落したわ。
 ここ一年は、忙しくしててゆっくり出来なかった。私はルースと共に、ルトやルクス達もふもふに囲まれてゆっくりしたいだけなのに。


しおりを挟む
感想 140

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(140件)

fuwaokusan
2024.11.18 fuwaokusan

とても面白くて楽しく読ませて貰っていますが パソコンで変換しているのでしょうか?
誤字脱字がとても多く多分こうだろうなと想像しながら読んでいます。
投稿する前に読み直ししたほうが良いのでは?

いくみ
2024.11.22 いくみ

お読みいただきありがとうございます。

すみません、誤字や脱字が多いかと、どうも…チエックが甘く、気付かずそのまま投稿してしまって……。


話数が多くチエックが難しい。

更に、個人的事情で話を遡り追っての修正が難しく、申し訳ありませんが、そのままお読みください。

時間がとれ次第修正はしたいかとは思っております……はい。


ご感想ありがとうございます。

解除
美幸
2022.10.31 美幸

パトリシア王女のご婚約者様のお名前はルース様なのかルイス様なのか…。

いくみ
2022.10.31 いくみ

御報告ありがとうございます。

そうでした……ルースでした……。

解除
Priss
2022.09.22 Priss

王妹様?王女様?女王様?どれが正解?

解除

あなたにおすすめの小説

称号は神を土下座させた男。

春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」 「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」 「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」 これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。 主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。 ※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。 ※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。 ※無断転載は厳に禁じます

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ

あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」 学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。 家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。 しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。 これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。 「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」 王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。 どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。 こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。 一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。 なろう・カクヨムにも投稿

公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)

音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。 魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。 だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。 見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。 「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

家ごと異世界ライフ

ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。