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第15章
第11話 近況。
しおりを挟むお店が見切り発車でオープンしてから暫く経ちますが。
オープンから半年程は、私にルース様にグレンたち。それに騎士二人も、お店の手伝いをしてくて忙しくしておりましたが。
いつの間にか、お店を人に任せる事に成ってしまい…。
そして、私はまた暇をもて余しております。
何でこうなったのかしら?
ん~と頭を悩ませて居ると、膝に乗るリズがどうしたのと言う顔をしてきます。私の横で眠るルクスやルトたちも、むくりと頭を上げて《『どうしたの』》と聞いてきます。
どうやら、私の感情の揺れに気がついた様ですわね…気を付けないと…。
ルクスたちが折角お昼寝してるのですから。
だけれど色々と考えてしまいますわね。
…お店の売り上げもなんだかんだで、グレンが管理してるし。
店の事…全部の事が、私の手から離れてしまって…遣ることがない。
それに騎士たちの武道大会?も、なんとなく私抜きで決まってしまい…。なんとなく疎外感を感じております。
開催する日は半年後だそうですし、私に全く関係ない事に為りました。
ですが、私の護衛の騎士たちは張り切って居るようです。
気の早い……。
副隊長に訳を聞けば、私付きの騎士が舐められ無いようにしないとね?と言いながらウインクされた。
それなら頑張ってと励まして、訓練時間を多く取って貰った。
それから……お兄様ですが…えっとヴァンスお兄様のご婚約が決まりそうです。
お相手は他国の王女様で、確か…第三王女様だそうです。
私にもやっと義理姉が出来そうですわ。
ルース様は私の屋敷に移って貰い、私の部屋がある三階にルース様の部屋を設けました。
それと、グレンの部屋の隣にはウェルスの部屋を設けました。どうやら私とルース様との婚姻は決まりそうです。
っと近況はこんな感じかしら?
でも……未だあるわね。
「ねえ、グレン?」
「なんでしょうか」
「お店の方は順調なの?」
「ええ、昨日も売り上げを持ってきた店長が順調だと云って居りました」
へぇ~頑張ってるのね。
「そう、なら、良かったわ」
「自棄に、ご機嫌が悪い様ですが。どうされましたか?」
惚けて聞いてくるグレンですが……。
分かってて聞いてるその冷たさ。
さすが氷のグレンです。
「別に? だだね、私のお店なのに…私がお店の事に、全く携われなくなってしまったから不安なのよ」
気になっていた壺プリンの壺も、モーリスのおっちゃんが作ってくれてプリンの持ち帰りも解決しちゃったし。
サンドウィッチを包む紙あれもよね。
えっと、蝋を塗った紙を作るのもモーリスのおっちゃんが他のドワーフを巻き込んで作ってしまったし。
なんだかんだ、お店で必要な物はドワーフのおっちゃんたちに任せてしまって、頼りきりに為ってるけれど。
「まあ、そもそもお嬢様が町の中で、店を開いて経営する等と謂うのは、無理な事ですからね」
良くお分かりですよね?と言われてしまえば、遇の音も出ないけれどね?
そもそも、店をオープンさせてから半月位経った頃までは順調に行ってたのよ!
伯父たち(三男は未だに牢の中)が、わざわざ店に訪ねて来て、文句を云って只で食事をして帰って行くと言う事が無ければね!
私は伯父たちに食事を奢るつもりはないので、すぐにお兄様に告げ口をした。
その事を、真っ先にお兄様へ伝えれば直ぐ伯父に抗議して貰い踏み倒した食事代を取り立てて貰った。
なんて事がなければ、今も私はお店の事に携われてたのよ!全く腹の立つ!
「ボソッ(全く、害虫より質が悪いし…)」
早く三男の処分を決めれば良いのに。
「お嬢様、なにか?」
「いえ、何でもないわ。伯父たちの事を思い出したのよ」
「ああ、あれですか?」
「そう。それにしても、未だ隣の屋敷に居座ってるのかしら?」
「その様ですね?ですが聞くところに寄ると、屋敷を売りに出すとか?」
「ほんと?」
「ええ、そう聞いてます」
ほほぅ……それは、良いわね。
早く国から出ていってくれないかしら?
お兄様も、お嫁さんを貰うし不安要素は摘んでおかないとと思ってるのかしらね。
良く分からないけれど。
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