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第15章
第4話 念願への第一歩。
しおりを挟むルース様の御家族が城に泊まり、ルース様は無事にお義父様とお義兄様たちとの蟠りに決着を付けた様です。両者納得したなら一安心ですかしらね。
それから数日経った頃、私とルース様の二人でモーリスのおっちゃんの工房に向かっております。
フフフ、やっとモーリスの工房へ来れたわぁ~長かった。
「よう!嬢ちゃん、やっと来たかよ。なぁバッカスもそう思うだろ」
「だぜぇ~。嬢ちゃん待ったぜ」
「長く待たせてごめんなさいね、モーリスおじ様にバッカスおじ様」
「「まったくだぜ!」」
お二人ともお声を併せて、待ちかねたと仰って下さいますわ。本当にお待たせしました。
「それで…早速なのですが、店舗に出来そうな物件って…その、残ってますか?」
「あぁ残ってるぜ!他の誰かに、買い取られそうだったからよ!俺が買い取ったから安心してくれや」
「はぁ…?買い取ったって…。そんな私が買わなかったら、おじ様が損をするのにですか?」
なんとも豪快な買い物ですが…。
馬鹿じゃないの?
なんでそこまでするのかしら。
「損なんてしねぇよ!だってよぉ~嬢ちゃんは約束を守るだろ?」
「だな!」
といってニカッと笑う…おっちゃんたちです。
フフフ、おっちゃんたちはドワーフだから髭もじゃなんどけど…笑うと可愛いのよね。
って…これは失礼だったわね。
「さ、こんな場所で立ち話もなんたからよ、嬢ちゃん早速家に行こうぜぇ!」
「ええ、案内お願いしますわ」
おっちゃんたちに連れられてやって来たのは通りに面した一軒家です。
家は二階建ての普通の家で、通りに面してるから塀が高い。除かれ無いようにですね。
ここは塀から改造しないと為らないのかぁ~。
これは……人目を避けて夜に作業かしらね。
お隣さんには迷惑を掛けないようにしないとね…両隣挟まれてるし。
家の改造は昼でもいいけど塀は夜の方が良さそうね。
「さて、ここが前に話した家だぜ。嬢ちゃん」
おっちゃんたちに家の中を案内されて中を見て回る事に。
狭い玄関から中に入って部屋を確認。
独立したキッチンは、土間に為ってるわここに竈があるからここで煮炊きしてたのね。
作業台と水を流す流し台は石で出来てる…石って普通…?
リビングに…おっと!懐かしいおまる風のトイレですか。…………これ…誰が片付けたのかしら?
で、お風呂は無しね?井戸で行水なのかしら。
それから……。
一階は個室が一部屋と二階は個室が3部屋のみ。
これは……土地以外使えないわね。
全壊しだわ…目指すのは古民家風のカフェだから庭も改造よね。
「ねぇ、ルース様」
「なんだい」
「ここって……普通の平民が暮らす家なの?」
「そ、そうだね。でも一軒家だから平民にして裕福じゃ無いですかね」
「まあそうなの?なら普通の人は…ああ、集合住宅が有るわね?(アパートがあったわ)」
「それと、平屋の一軒家と長屋が普通の暮らしだよ。地方なら小さな一軒家だけど…そこは村長の屋敷以外は狭いと思う」
詳しく教えてくれるけれど…そこまで知らない訳ではないのですよ、これでもね。
親切丁寧なのは商人の性なのかしら?
「そ、そうでしたわね?そう言えば旅の道中で村を見かけたわ。町ではそう集合住宅ですか」
「そうだぜ!嬢ちゃん。ここは金持ちとは言わないが普通の婆さんが暮らしてた家だ。で、どうだ買うか?」
「そうねえ……おじ様たちの工房も近いし……買うわ!あそうだ買うに当たって条件はあるのかしら?」
「ンなもんねぇよ!金さえ出せば嬢ちゃんの好きにしろい」
「そう、なら決まりだわ!で、おいくらかしら?そうだ元々の金額を教え下さいね?」
条件がないならありがたいわ。
さていくらで売ってくれるのかしら?
取りあえずお金は持って来てるけれど…。
「そうさなぁ~嬢ちゃんには、儲けさせて貰ってるんだが…。家の金額は…白金貨1枚と大金貨6枚なに金貨4枚だよ」
「そ、そんなに安いのですか?」
「えっ、ルース様安いのですか?」
「ま、まあここは城へ伸びる道から一本外れてるしなぁ…場所が主道で家を買うならもう一枚白金貨が必要だがな」
「ああ、そう言うことでしたか。それなら安いのも頷けますね」
おっちゃんとルース様が、なにやら頷いてるけれど…私に金銭感覚があまり無いからよく分からない。
ここは分かる人に任せましょう、その間私はグレンとウェルスたちと少し打ち合わせです。
フフフ、楽しみですですわ私の念願の第一歩がここから始まるのですもの…。
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