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第14章
第32話 勝手な言い分……婚約の話しは何処へ?
しおりを挟む何とも身勝手極まりないけれど、今失礼な事を聞いてしまったわ!私怒ってもいいかしら?
「あの……?」
「なんですか?王女、未だ私になにか?」
ま、未だ?それに王女ですって!なんて失礼な!もう怒りました!
「ええ、あまり言いたくはないのすが……エンバス商会とのご縁ですが…。今後、私の案件で新しく販売して貰う様な仕事は、もう今後一切エンバス商会には頼みませんわ!」
とっても失礼な事を聞いた気がするのよ私は!
「えっ……ええ!そ、それは困ります!それでは私共一族が路頭に迷って仕舞いますぞ!王女様はそんな無体を謂うのですか?」
「あの……私との婚約を認めないのはまぁ仕方ないですが…。先程から私達を馬鹿にし過ぎてるのを!貴方はそれをご自覚為さってまして?」
「そ!それは………誠に申し訳御座いません」
と言って、ジャンピング土下座をするけど…。
わかってないで謝ってませんか?それに今更遅い。
でも、ルース様のご家族ですから…今後はお兄様が対応すると思うのよねぇ~。
「アルス殿、取りあえず立って座りたまえ」
「は、はい……」
アルス様が、のっそりと立ち上がって椅子に座り直す。
……なんか一気に年を取った感じねぇ…。
「王女様!それは私との婚約は……」
おお、いきなり来たわね…少し待って下さい。
先に此方ですわよ!
「ちょっとお待ちに?ねっ、ルース様は少し黙ってらしてねっ♡ニッコリ」
「はっ……はい!」
「それで、アルス様?私に仕事の話を切られるとお思いに為られての、あの土下座かしら?私に敬称も付けずに、私を王女と宣った謝罪はどうしますの?」
「はっ!そ、それは……大変申し訳ございません!息子との話しを夢中になってまして……。その…忘れてしまったと言いますか…」
忘れて仕舞ってねぇ……何とも都合の良い。
しかも私とルース様が結婚したら、私は貴方の関係は遠くは為りますが、一応は私は貴方の、義理の娘に為るのだけれど?それはどう思ってるのかしらねぇ…。
「それに一人の人間の、それもご自分の息子の自由も束縛するような商人なんて、どうかと思いますわよ?それに話を伺えば、ルース様の居場所が無いと聞いて仕舞っては、全く信用が出来ませんわ」
なんか堪え忍んで、肩身の狭い思いをさせてでも一緒に暮らしたいなんて!おかしな話しよね?
息子にそこ迄我慢させるなんて!虐めじゃないのかしら?
「そ、そんなことは…ないですぞ!王女様こそルースとの事を認め無いからと言って、権力を翳さないで頂きたいものですな!」
「……ん~私の言ってる意味が、分かりませんか?今までの契約は、そのままでもいいですわよ!と言ってますよ私はね?お互いにWin-Winですから。ですが…新しい仕事は全て、ルース様に任せたいと思ってましたから」
「そ、それは私は商人として働けると?」
「ええ、私の旦那様に為るのですから、商人の仕事はして貰いたいわ。私、色々考えてがあって…それを相談しながら仕事にしたいの♡」
「パトリシア様!なんと嬉しい!私は遂に王女様と………」
「ま、待てルース。王女殿それは!なんとも、狡いではないですか!」
「あら、なにが狡いのかしら?」
「シア、それは止めた方がいいぞ?」
「そう?お兄様が謂うなら控えるわ……」
でも、良く分からない人ねぇ…別に今迄の物を取り上げるなんて言ってないわよ?
そんなことをしたら、仕事に溢れる人が増えてスラムが出来てしまうもの。
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