婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね

いくみ

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第14章

第31話 ルースと父親との掛け違い…婚約は無理かしら?

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 ちょっと、重い出来事を聞いた気がしたけれど…。ルース様は、ご自分のお母様の事はご自分の中でけりを付けてるのかしら?それならそれで良いのよね?


「ところで?父上、この際ハッキリ申しますが。私はパトリシア王女様を、幼い頃より好いて居りました。他の商人から嫁をと、申しますが!そんなもの御断りですよ。ましてやあの家で、一緒に暮らすなど考えられない!兄上の嫁に、私がなにをされてるのか御存じか?」
「な、なに?ケビンの嫁に、お前がなにをされてると?そう言えばお前、嫁を迎えて暫くしてから、食卓に顔を出さなくなったが…お前はまさか」
「はぁ~私の食事だけだと思いますが、一緒に食事するとあの人が私の食事に、なにか細工をするのですよ!ですから、一人で食事をすることにしましたが?」
「そ、それはケビンには?」
「食事の事は言ってませんよ。ですがあの人には、気を付けた方が良いのでは?あの人、兄上の嫁に成ったその日、私にこう言いましたよ?直ぐに家からから出ていけと、挙げ句兄上が店を継ぐのだからあんたの居場所はないと思えとね!」
「………そ、そんな事を嫁がおまえに言ったのか?」
「ええ、それきりあの人と極力顔を会わせない様にするのが、どんなに大変だったと思いますか?」
「な、なぜそれを早く私に言わない!」
「言える訳がないでしょ?」

 それは言えないわね……お兄様の嫁ですものねぇ…。

「そんな……あの嫁が、お前にそんな…?あの愛想の良い嫁がか?」
「…兄上とは見合とはいえ、嫁に来てるんですから。父上に良い顔をするのは、当たり前ですよ!ましてや兄上の嫁ですよ?私がなにか言えば、兄と争いに為ってしまうでは無いですか!私はあの頃は未だ10代だったのですよ?独立も父上に、許して貰えずいまの今迄で来てるのに」

 これは…長年の恨みが今爆発って感じかしら。
 それにしても、身内の恥をここで暴露って…良い根性してるわね…ルース様って。
 自分の家で不満をぶちまけると、多分その嫁が割って入って被害者面をするでしょうから。
 それならと、ここでぶちまけた?って所かしら?
 さてさて…アルス様はどうする積もりかしらね?

 ……ところで私との婚約の話しは?



 はぁ、盛大に親子喧嘩が始まりそうよねこれ。
 しかも第三者が聞いてるのに、ルース様の怒りが止まらないのよねぇ…。
 取りあえずここは割って入ってみましょうか?

「あ、あの……ルース様?」
「………」

 チラリと私を見て黙ってるわ……ここが何処だか気付きまして?

「あぁぁぁーー。も、申し訳御座いません!王族の皆様に私共の……お見苦しいところをお見せしまして……。兎に角私はパトリシア様と…」

 と、正気に戻ったルース様ですが…。お父様のアルス様の方は、どうやら未だ気が収まらないのかしら?

「ルース!今はそれどころではないだろ?私との話しが先だ!陛下、この場を借りても宜しいしでしょうな!元は……(おや…違うか、ルースが発端だった!)と、兎に角少し話しをさせて貰いたい」

 えっと……個人的な話しはお家に帰ってしてくれませんかぁ~?
 私は……一体どうしたら良いのかしら?

「アルス殿、少しは落ち着け。これではまともに話しも出来んぞ!」
「…そうは、仰いますが。ルースは…」
「父上、いい加減にして下さい!陛下に無礼ですよ!先程から……父上の言葉は不敬に当たります。それを自覚してますか?」
「うっ……そ、それは…陛下並びに王子殿下王女殿下、誠に申し訳御座いません。ですが!ルースとの話しは、私は反対ですぞ!これは譲れない事です」
「……あの……ではお聞きしますが?アルス様はルース様を飼い殺しに、為さるおつもりですの?」
「か、飼い殺しですと!なんと、申しましたか?王女様とはいえ失礼では御座いませんか!」
「ですからちゃんと、私は失礼は承知で聞きますがと伺いましてよ?」

 もう、興奮するのも大概にしてくださいな!

「そ、そうでしたな!では、お応えしますが。私は、息子を飼い殺しに等しませんよ?」
「では、ルース様のお好きにさせると?」
「ええ、そのつもりです!」
「だったら父上、私はパトリシア様と婚約をしても良いのですよね?」
「そ、それは駄目だ!お前が、と結婚等してしまったら、お前は私から離れるではないか!」

 な、何だか矛盾の塊の様な方ですわね。
 これで腕利きの商人ですか?

 しかもとか……なんなのかしら?
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