婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね

いくみ

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第14章

第30話 暴露してるけど……婚約は?

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 お兄様が、エンバス親子二人の言い争いを止めようとしてるけれど……。
 それは多分……暫く収まらないと思うわぁ~?

 お互い好きに言わせた方が早く収まる気がするわよ?

 日頃の鬱憤を晴らさせれば、少しは冷静に為るのでは無いかしら?

「アルス殿!………アルス!」

 あっ!でも二人の間に、割って入るのねお兄様って中々のチャレンジャー!ですわね。
 私はここで傍観者に為ってましょう。

「えっ!あ……は、はい。なんで御座いましょうか?陛下………おや?人が減りましたか?」
「ああ、貴殿達の言い争いが長かったゆえにな?一旦部屋から出て貰ったが?」
「そ、それは…誠に……。ですが、私は先程も言いましたが!陛下、息子を王族へ養子にやるのは反対ですので」
「……だがルース殿は、それには納得していない様子だが?寧ろ養子の件は喜んでいるように見えるが?それに私が謂うのも生意気だがな、いい加減に息子離れした方がよいのでは?」

 まぁ、お父様ったらここで父親面ですの?
 フフフ、でも…偶にはそれも良いかも知れませんわね。

「そんなことは、王族の方々には関係がないではないですか!これは私共の問題ですぞ!」
「はぁ~息子とは謂え一人の立派な人間だ。いつ迄、親が子供にしがみつくのだ?それに、貴殿には跡継ぎが居るだろ?」
「ええ、居ますとも!此より立派な息子が。だからルースは未々未熟、ゆえに養子になど出せませんと申しておるのです!」

 なんだか…話しがごちゃごちゃしてきたわねぇ~そろそろ言い合いが、飽きて来ましたわ。

 いい加減、私はルース様と話したいわ。
 それに……あのアルス様……全く私と話をしませんが……それは何ででしょうか?
 ですが取りあえず話しは、お父様とお兄様に今はお任せですわね。


「……そうか?私から見ればルース殿も、立派に仕事をしてるでは無いのか?と私が思うのだがなぁ?それに、ちゃんと自分を持って居るようにも見えるが?(だからパトリシアに、結婚を申込だのでは無いのか?随分と、おかしな事を言う親だ)」
「ムムム…お言葉ですが陛下!息子は、未々私から見たら未熟です。店の一軒もルースには任せられませんよ」

 おや……何とも低い査定です事。
 ルース様って結構遣り手ではないのかしら?
 ルース様に仕事を任せてるんでしょ?違うのかしら。

「父上!そんなに私が、信用為らないと言うのですか?では一体何時に為れば、私は貴方から解放されるのですか?私は店を継げないのに?もういい加減にして下さい。私の人生は、私の物です!私は好いた人と一緒に居たいだけです!」
「だ、だからと言って、養子になど行かなくても良いであろう?お前の嫁なら、商人仲間からお前が言う条件の娘を連れて来よう。そして家に嫁を迎え入れて、一家で仲良く暮らそう。その方が、お前も苦労もなく幸せだろ?」
「………ち、父上は…なにを言ってるのですか?」

 ああこの方、息子可愛さにいつまでも懐に入れて置きたいタイプの人なのね?
 まるで母親みたいだわ。

 と、謂うか……ルース様のお母様って居ないのかしら?

「あの?ルース様?」
「なんでしょうか?パトリシア様」
「失礼なのですが、貴方のお母様って?」
「ああ、母でしたら数年前に男を作って出て行きました」
「……えっ?それは……すみません」

 余計な事を聞いたわね…でも、死に別れじゃ無いのね。

「いえ、謝ることではございませんよ?王女様も、特に気にしないで下さい」
「………それでも、ごめんなさい」
「いえ、大した事ではないですので」

 さらっと大した事でもないと言うのね…。

 何か冷めてるわぁ……ドライ過ぎない?

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