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第14章
第24話 お願い♡
しおりを挟む「裏門の鍵は、常に掛けたままなのでしょ、お兄様?」
「ふむ鍵か…裏門はまぁそうだな」
「いいのでは無いか?ヴァンスよ、裏門等使用人と商人達の物品の出し入れしか使わんだろ?」
「…いえ、それも今は殆んど使っては居りませんよ。鍵も私とマルスしか持ってませんから。常に鍵は掛けたままです」
「…そうかそれなら心配はないだろ?義兄達もそう城には用はないだろうしな」
あるとすれば、金の無心にくる時ぐらいだろからな!と言いますがそれが怖いのでは無いかしら?
お金って……まあそうよね?領地を逃げるように離れてきてるし何処からもお金が入って来ないし?
息子達はお馬鹿だし…叔母様は働けないだろうし。
フフフ一家揃って無能な集まりって……笑えるわ。
そういえば……双子の女の子はどうしたのかしら?まあどうでも良いけれど。
「だったら問題はないな!パトリシア、三階の結界は解いてくれ。ルースの部屋を設ける様に、マルスに頼むがそれで良いな?」
「えっと、私の部屋の結界は解かないままで良いですわよね?」
「それは、構わんぞ!それにお前の部屋と、ルースの部屋の場所は離すからな」
同じフロアにして部屋を離すと言いますが…。
私は城で暮らしてないわよ?
どうするのかし……あぁ、それは今更ですわね。
私の屋敷には一度来てるのだし。
だったら、執事とメイドをルース様にも付けて移動すれば良いのかしら?
「所で、お兄様?私はルース様とは、いつ会えば良いのかしら?」
「勿論明日だ!ルースの到着後にお前に使いを出したいが…。生憎お前の屋敷と、私達の執事は自由に行き来できないが……どうするか?」
チラリと私を見てどうするか?なんて言ってるけれど…。
どうするも何も無いわよ?絶対に行き来させませんわ。
「それでしたら、アレクお兄様?」
「なんだい?」
「ルース様が城に来れたら、私を呼びに来て頂けますか?」
「……俺は!お前のパシリか!」
フフフ偶には良いのでは無いかしら?
いつも突然私の屋敷に来るのですから。
「良いじゃないですかぁ~?お兄様…ねっ♡」
にこりと微笑んで、首を傾げてお願い♡すればアレクお兄様は私のお願いを利いてくれるもの。
「うっ……シアお前…それは、反則……」
おお、お兄様が赤く為ってるわフフフ。
私のお願いもまんざらでは無いのかしら?
「えっ、なんですのお兄様?」
「……っ…ふぅ……全く、お前のお願いは……。まあ偶には良いか?分かったよ、ルースが来たらお前を迎えに行くよ。それで良いか?」
「はい、ありがとうございます。お兄様♡」
「うぅ……」
フフフ勝った!
「なぁ、パトリシア?」
アレクお兄様にお願いを利いてもらって、心の中でガッツポーズをしてニマニマしていると、お父様から声が掛けられたわ、あら…何かしら?
「なんですの?お父様」
「お前……商人の息子と結婚するのか?」
「……まあそれも良いかな?と、思いまして。何処からか、湧いて出る屑貴族の息子と結婚するよりは、何倍も良いかと…」
商人の息子で、話しも合うし。
放っておいても勝手に仕事を探して、仕事をしてくれそうだし。
勝手にされるのは困るけど、まぁ相談してお互い楽しく暮らせればそれでいいわ。
「お、お前それは……身も蓋もないぞ?」
「そうかしら?来れでも耐えて来ましてよ?わたくしは…」
目の前に置かれたティーカップを持ち上げて、お茶を飲む私です。
「「「うっ…そぅ…だったな」…」それを言われると何とも…」
フフフ本当に今日は気分が良いわ!
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