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第14章
第23話 ルース様に伯父達と、まぁ…色んな話?
しおりを挟むお父様の乱入でサロンは大騒ぎです。
この父……どうしましょうか?
取りあえずお父様には、座って貰い落ち着いてお茶でも飲んでもらいましょうかしらね。
兎に角、落ち着いて貰いませんと話に為りません。
でもそのうちお母様も飛び入りしてきそうよね?
「で、パトリシア」
出されたお茶を一口飲んで、乱暴にカップを「ガチャン!」と置いて音を立てる。…お父様雑すぎるわ。
「お父様、受け取ったカップは丁寧に扱って下さいませ?危ないわ」
「お、おう…すまん。で?お前どうするのだ?」
どうするのだ?とお父様が私の目の前まで顔を近づけて来ますが…お、お父様お顔が近いです!離れて下さいませ!
「父上、パトリシアとその話を今していたのですよ。少し落ち着いてください。パトリシアの事となると、大騒ぎするのはどうかと思いますよ?そもそも父上は、叔父上と共謀して!パトリシアを利用しょうとしたのをお忘れですか?それに今は、隠居の身でしょう?フラフラ城内を出歩かないで下さい!」
「そ、それはその…済まなかったよ。あの時は、どうかしていたのだ。というか、今はその話は関係無いだろう!」
ヴァンスお兄様、助けてくれてるのかしら?だったら……まぁ…ありがとう。
でも…お父様の謝り方が雑だけど。
「父上、それでは誠意が感じられませんよ?パトリシアが可哀想だ」
「本当にそうだね、兄上。駄目な父親を持つと、その子供が苦労するんだ。それが良く分かったよ」
「………」
お父様黙ってしまったわ…フフフ面白いです。
「さて、こんな父は放っておいて、パトリシア?」
「な、何かしら?お兄様」
「なに?じゃ無いだろう?」
「そうそう、ルースとの婚約をパトリシアが了承するなら。ルースにも後で話すがね?ルースはダルトの家に籍に入る。が……これは形だけの事だぞ!」
「……はあ?」
「……間抜けな返事をするなよシア」
「ですが……それがなんですの?」
「だから、ルースの身の置き場はエンバス商会でもダルトの屋敷でもなく、ここに「城」になるのだよ?分かってるか?」
「………?」
ルース様の住む場所よね?
ご実家から出られて、養子先のチェンバース家では住まないの?
顔か合わせ位はするのかしら?
「だから、奴はしばらく城に住まわせるのだが…」
「だから?それならそれでいいのでは?三階部屋はいつも空ですから、三階のどの部屋も空いてますので…適当にどうぞ?」
「……なら、そうするが…。お前、ルースは単独で結界に入れるのか?」
「あっ!そうでしたわね?」
結界を解いておかないとルース様と他の方が入れないわね。
「結界は一時解きますけど…伯父様達はどうしますの?そろそろ本当に、何とかしてくださいな?」
「伯父達は入ら無いように門番達には言い付けてあるぞ?」
「なら、クロノスはどうして城に?」
「奴は、私に泣き付いて来たからな。それに、お前には何もしないと言ったのでな…入城を許可したのだが…。すまんパトリシア…」
信頼を裏切られたよ!と、お兄様が仰ってますが…騙す方が悪いのか?騙される方が悪いのか…。
「でしたら伯父様達の屋敷と、城の城壁に掛けてある橋は取って壁を塞ぎましょう?そして裏門は常に鍵は掛けっぱなしなのでしょ?」
なので裏門は論外ですし、正門は門番がいますからそのまま城に入るのは無理でしょうし?結界もありますから。
クロノス…今までは城にすんなり入れたでしょうがもう入れないわよ!
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