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第14章

第4話 勘違いをされてるのよ!

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「はぁ~お兄様……ルース様と、話をしないと為りませんかこれは?」
「何を話す?」
「決まってますわよ?貴方の気持ちには答えられないと、言うだけですわ」

 それは良い方だとは思いますわ。
 見目も良いですし、イケメンさんですもの。
 それに話しも合って、話してても楽しいけれど。
 それは私が一方的に話してるだけで、ルース様は退屈なのかもしれないもの。

 それに付き合わせてる自覚はあるのよ。
 だから私が一方的に好意をいだいて居るのは内緒ですもの。
 この手紙は何かの間違いよ。
 そう!ルース様の勘違いですわきっと!


 [なんか盛大な勘違いをしているパトリシアは、この後どうルースの気持ちに向き合うのだろうか?
 アレクは、パトリシアをかわいがって居るのでルースの申込を断ると言い切ったパトリシアの言葉にはそのまま納得する。
 これはまだまだ結婚の話しは遠く為りそうだ]


「そ。そうなのか?でも良いのかい」
「あら、お兄様反対してるのでしょ?それなら良いのでは?」
「まあ、そうだが……」
「フフフ、お兄様?眉間に皺が寄って居てよ?」

 お兄様の眉間に指を当ててぐりぐりしてあげますフフフ楽しい。

「シ、シアやめろ!子供ぢゃあるましい!」
「ご免なさいお兄様。さて、それでこの後はどうしますの?」
「ああ、それを渡すだけだったからね戻っても良いぞ?」
「そうですか……でしたら戻りますわね。お兄様ごきげんよう」

 ソファーから立ち上がり、アレクお兄様のお部屋を出て自分の屋敷に戻ると直ぐにグレンに話し掛けた。

「グレン、ガウェイン達と屋敷の周りの魔物を狩って来るわね?」
「はぁ……それはまたいきなりですね?」
「良いじゃない。ちゃんと騎士全員連れて行くもの!それに山の魔物が増えて来てるのよ」

 屋敷の周りに赤い点が多く見えて来てるしね。
 それに、騎士達のストレス発散にも成るだろうし剣術?武道?大会どっちだったかしら?
 まぁ、それにでもなれば出たいだろうし。

 幸い隣にガウェイン居るし楽よね。

「ガウェイン、と言う事で騎士達を呼んでくれないかしら?」
「だったら私が呼んで参ります」
「そう?ならお願いしますわゴードン」
「はっ!お待ちを。それと外に出るなら用意をして参ります!」
「ああ、それなら私も、この格好だと防御が…」
「そうなの?」
「ええ、そうなのです。ですので少しお待ち下さい」
「分かったわ私もお着替えしてくるわね。グレン、メイドを呼んで下さいな」
「畏まりました」

 それから支度を終わらせてリビングに戻ると騎士全員揃っていたわ!優秀ですね。
 一人まだ追加してませんが…要らないかしらね?

「お待たせしました!では出かけますがルクスも一緒で良いかしら?」
「構わないですよ?チビッ子は素早いですからね……頼りに成ります」
「そう?ありがとう、ニルス。なら出かけましょう」

 全員外に出ると、私が渡した魔法のキックボードに全員乗って屋敷の外に出ます。
 ルクスは私達の先を走ります。

「それで?王女様どの辺に魔物がいるのかしら?」
「ここより少し先ですわ、いるのは簡単なゴブリンですが……。数が多いですわね、どうやら繁殖して村に成ってるわ。気をつけてね?」
「了解したわ、ならここからは歩いて近寄るわね?」
「そうね……そろそろ歩きましょうか?キックボードは仕舞って下さいね?」
「承知しました!おい歩くぞ、それ仕舞えよ!」
「はい!魔物ですか?」
「そうらしい!」 
「歩くぞ!」
「「「「了解!」」」何がいるんだ?」
「ゴブだそうだ」
「そりゃまた……」

(ルクスは、私の側に居てね?)
『ええ!僕も行くよ』
(少しだけ騎士達の動きが見たいのよ?ね、お願い。まだまだこの辺り魔物が多いのよお願い)
『分かったよ』
(ありがとう。後でおやつ奮発するからね)
『本当?』
(本当よ)
『……我慢する!』

 雑木林の中で騎士の達にそっと声を掛ける。

「騎士の皆さん!ゴブは弱いですが、数が居ますわ、気をつけて私はここで見てますが、宜しくて?」
「大丈夫ですが、護衛を付けます!」
「いいから、全員で連携して狩ってくださいね?それではお願いします!」
「承知!」

 それだけガウェインが答えると、それが合図に為りに騎士達がゴブの村に突進していきます。

 私は結界を張り、足元に居るルクスと皆さんの動きを眺めてます。

 時折ゴブが私を見つけ、近寄ろうとしますがそれを見つける騎士達がゴブを切り裂き倒して行きます。
 結構皆さんお強いわね?

 まあ相手はゴブですから力量は測れませんが…。


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