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第13章

閑話 思わぬ話し。

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 食堂では、我々一家にベルガモット一家族全員での食事が始まった。

 一応、家族同士初見の者も居るのでお互いを紹介しあってから食事が始まった。

 しかし…パトリシアという姪は…なんと言う美貌の持ち主だろうか?
 この娘を、あの王子が婚約を破棄したのか?
バカだろ?と、ルベルスは心のなかで思った。

 そして、更にルベルスは食卓に乗る料理を見て驚いた…。
 見たこともない料理で、口にすれば非常に美味である。

 そう、家族全員が思ったらしく黙々と会話もせずに食べ進めてしまったが…。

 息子のクロノスが、食事中にパトリシアとアレクに突っかって居たが…。あれは、放っておいても良いだろうと考え口は出さなかった。

 そして、食事が終わるとサロンへと移動した。
 だがそこには、パトリシアの姿はなかった。
 後で聞いたが、ルシスとライアンがパトリシアとアレクとで揉めたと聞いた。

 全く…あ奴らは…。

 そして、私はヴァンスの口から飛んでもない事を聞いたのだった。

「伯父上、長旅お疲れでしたね?」
「いや、そうでもないがな。しかし驚いたぞ?アデスよ?」
「何がですかな?義兄上」
「この城の事だ!凄いではないか!」
「ええ、最近完成したのですよ。アハハ!」
「そうだったのか?話を聞いてなかったのでな?驚いたぞ」
「そうですね?私達もここに越したのが、つい最近の事ですから…」

 ん?何か会話が可笑しくないか?

「そうか…それなら仕方ないな?」
「ところで、義兄上。此方へは何故ご一家で?」
「それは……」
「そうよ?お義兄様…。私は、お義兄様だけをお呼びしたのよ?」
「あら、マリーンたら、冷たいわね?私の顔は見たくないのかしら?」
「そうではないわ、お姉様。ですが、ここまでは遠いですから…私も気を使ったのよ?これでも」
「まぁまぁ、プリメラ。マリーンも、気を使ったのだろうよ?それより、今回は私達はこのベルガモットに移住目的で来たのだよ」
「それはまた……そうですか。では城に滞在されても、領地へは帰らないと?」
「ああ、そうなるな」
「でしたら義兄上、土地をお買いに成り。ご自分の屋敷を、お建てに為られるのはどうかな?」
「はあ?土地に屋敷をか?」

 おかしい、何故そんな話を聞かねばならないのだ?

「あら、それは良いわね?土地の場所は何処に為るのかしら?」

 おい!プリメラ!お前そんなことは無理だろ?

「叔母上、それはこの城の直ぐ隣の土地になるのです。立地はいいですよ?どうですから近い内に下見等如何ですか?」
「そ、そうか?それなら下見がてら行こうか?」

 仕舞った!そんな余裕は、ないぞ?
 金は残り少ないのにないのに、なに突然言い出すんだ!
 そんなもの一つ返事等出来るか!

「そうですか?ならば、魔物も少し居ますから狩りがてら出向きますか?狩れば資金の足に為るのでは?」
「そ、そうか?それなら、クロノスとライアンも連れて行こうか」
「良いですね?それなら、私も出ましょう。それからここで。お伝えしますが。父上には、近々隠居をして貰います。従って、私がベルガモットの次期当主に為ります。ですので、今後何かあれば私に御相談を。それと伯父上、此方へ定住なされるなら。私の相談役としてご協力願いたい」
「そ、それは一体どういう?」
「なに、簡単な事ですが?理由は私達、家族の問題ですから。伯父上達に申し上げる事は、出来かねますが。父上、母上には、離れで隠居して貰うのが既に決まって居ります」

 な、なんと!そんな話しが……。
 だが待て、それならヴァンスが王に為るのは此方としても動きやすい。
 嫌…御しやすいのか?

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