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第13章

第41話 伯父の領地……鑑定!

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 邪魔な王子が帰る姿を眺めながら…、これで取りあえず暫くは静かになるなと。ヴァンスは城の城門が僅かに眺められる、窓から宰相のダルトと並びダルトに話し掛ける。

「なぁ、ダルト」
「何でしょうか?陛下」
「あれで、安全に国に帰れるのか?」

 馬車を三台連結させて、馬はバラバラに縛り繋げてある。
 なんとも珍妙な馬車の隊列だ。
 馬は気の毒なのでロープでしか縛って居ない。
 我ながら…ちんけな事を思い付いたものだが…。

「さあ、どうでしょうか?鎖は決して切れる物でも無いでしょうし。食料は馬達が食べる餌以外は、一切乗せませんでしたから……」

 馬には罪はないので、そこは慈悲を与えた形に為るが…。
 人間食べ物がないと、馬の餌でも口にしそうだが…。

「フフフ。そうか、確かあの国に帰るのに要する月日は……確か」
「3~4ヶ月程度では?」
「フフフ、魔物も出るな?食料もない。さて、いつまで持つか……。まあ、関係はないな」

 私が考える事ではないしな。

「さあ!ダルト、仕事をするか…」
「ええ、そうして下さいませ。仕事は山ほどありますよ」
「うう…少しは減らしてくれ」
「それは無理ですね、貴方がこの国の王なのですから」
「……わかった」

 名も知らなかった、他国者がベルガモット領地に患者を寄越し、なにやら探って居たのは影達からの報告で知っては居たが。
 大して頭の良くない、王子を寄越して私の大事なパトリシアを嫁に寄越せ等と抜かしそして、大切にしてくれるのならとは思ったらあの態度だ。
 到底許せる物ではないのだが相手が他国の王子。
 目の前で始末出来ないことは、腹立たしいが…。
 だがこれで、この国からは一つ膿が出せた。
 とは言え…かの国からの、問合せや抗議は来るだろう。
 だが、此方は王子達がこの国から出ていくのを確認済みだ。
 それに帰る者達の、道中の事等此方は面倒を見る筋合いは無いのだから。

 そして、あの失礼極まりない態度……厄介だったがやっと出ていった。

 ヴァンスは肩の力を少し抜き執務室に戻って行くのだった。

*#*#*#*#


 そして一方のパトリシア達は…。

 屋敷でアレクの到着待っていた。
 アレクからしたら、城とパトリシアの屋敷とで往復になるのだが。
 かわいい妹の為だ、往復すること等何の苦でもない。
 と思って居るわね多分、お兄様拗らせてませんか?

「グレン、お昼早めに取っても来ても良いわよ?終わったら、ルト達のご飯を持ってエルサと一緒に、戻ってくれないかしら?」
「………畏まりました。ではその様に」
「フフフ、よろしくね?」

 パトリシアはグレンを見送ると、ルト達が眠るソファーを見る。

「さっきまで、部屋中バタバタと暴れ回って遊んでたのに。食後の運動が終わると、また眠って仕舞うのね……フフフ」

 これなら昼食は遅くても平気かしら?

 さて、お兄様が此方に来られてから直ぐに城へ騎士達を、迎えに行かないと為らないのね…。
 ちび達はエルサに任せるとして…。

 何だか忙しいわね、手短にするならお兄様に全部任せれば良かったかしら?

 あっそうだわ!騎士隊長のええっと……。
 名簿を開いて名前を確認するパトリシア。
 あっそう、この方達ガウェイン・ブルエル様と、セルバス・ネルマス様。
 この方達とは、ちゃんと仕事の説明をしないとね?
 まぁ、後の人達も交えての、話もしないとだけれど……というか…話ってなに?

「ん~一応?私が出かける時の護衛よね?」
「だけど……10人の騎士?要らないわぁ~精々三人で十分よね?」

 取りあえず、怪しかった方はお兄様に排除して頂けたし。

 ………後はあの従兄弟と、なにを考えて居るのか分からない伯父様かしら?

 あの方の領地……ちょっと確認しようかしら?
 なんか、虎の尾を踏む様な気がして為らないけれど…。

 仕方ないマップ確認……。
 伯父様の領地って、どこ?名前……えっと…。
 あ!デルスタ領で良いのかしら……。

 サーチ、デルスタ領地鑑定………。

デルスタ領伯爵領地。

当主

アルベス・デルスタ 現当主

年齢

43才

既婚者妻と子供二人の4人家族。

兄ルベルトより、領地を引き継ぐが…財政難。
領地は経営は逼迫している。

原因

兄ルベルトの、無謀な増税政策で良民は困窮。

食糧難、貧困、官僚達の税の使い込み。
加えてリシュタール王と、懇意にしていた為領地は荒れる。

 因みに。
弟であるアルベスに領地を押し付け、ベルガモット公国逃げ込み、ベルガモット公国ヴァンス公王と、その家族を無き物にしようと画策中だが、中々上手くいかずに苛立って居る。

 と……こんなん出ました!

 ま、マジですか…。
 って言うか…鑑定が益々おかしな事に為っているのは気の所為いかしらね?
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