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第13章
第32話 バッチリ録れました!フフフ。
しおりを挟む酔っ払いの王子に絡まれて……ます…。
酔ってるからこそ本音が聞けるのですわね?
お勉強になりましたわね。
人間…ああはなりたくないですわね?
お酒の力は凄いわ……。
お避けに飲まれる人間って…見苦しいわぁ~。
「………ヒック……ゆ、ゆくゆくは…。わたしがこの国の……国のぉ~お、王に有るのだからな!」
と馬鹿な事をほざく王子の言葉を、軽く流すお兄様ですが…顳顬に血管が浮いてて危ないわ!
「それは困りましたね?」
「アハハ。ヒック……そうかぁ~?別にぃ~なぁ。困ることは無いぞぉ~!」
だんだん呂律が回らなくなって来てない…?
どれだけ飲んだらああなるのかしら?
「いえ、困りました……。そんな方に、大事な妹は渡せないですね?」
「渡せない、誰をだぁ?」
「……おや?お忘れですか」
「……………いや、いや~ぁ忘れてないぞ?あの傷物の女!だろぉ~?ハハハ…ヒック。私が!この私が慈悲で貰ってやるんだ!感謝しろよ?」
「………………」
「なぁ~んだ?ヴァンス殿ぉ……貴殿はぁ不満そうだな~?」
「……………」
「おやおやぁ~図星で、何も言えないか?あぁん?」
「………兄上……」
ぼそりと、アレクが『兄上』と呟いたのを聞いた王子は、今度はアレクお兄様に絡みます。
……本当にウザイ!お酒臭い!
「フフフ、アレク!お前だってぇ~傷物の女等ごめんだろ?なぁ…それを私が、貰ってやるんだ。感謝したまえよ?ハハハ!あんな堅物で、可愛げのない女を、私が貰ってやるんだからな!」
「っ……!」
何か言おうとしてるお兄様を止めて、私が口を出します。お兄様……しぃ~ですわ!
「あら、私が傷物の女ですか?殿下」
「お!居たなぁ!堅物女ハハハ。お前は、俺が貰ってやるんだ!感謝しろよ?それで貰ってやったら、鎖で繋いで!鞭で打ってやる!その生意気な………態度ぉ~なぁ~………ヒック!」
ゲスの極みですわね?この王子……そんなことを考えてたの?
そこへ、執事を迎えに行った騎士が戻って来た。
ちゃんと執事を連れてね。
「で、殿下!ど、どうされたのですか?突然部屋から居なくなり、こんなところでなにを……」
「ああ、執事の……そう、マルナス殿か……。今、殿下と話してましてね?どうやら彼は、パトリシアの婿には、相応しくない様ですね?良い機会です。早々にこのベルガモット公国から、出て行かれるがいい。そうだな…明日の朝イチは、どうですか?……フフフ」
「そ、それは何故かお伺いしても?」
見て分からないのか?という顔をするお兄様です。
「お!マルナスぅ~!なんだお前ここに居たのか?」
「で、殿下?」
「おう!今なこの堅物の女にな、文句を言ってやったのだ!ワハハハ!ヒック」
私を指さして堅物と言い放ったわこの王子。
もう、これは酒に酔おうがなにをしょうが、言い訳は出来ません!バッチリ録音済みですもの。
「で、殿下!貴方酒に弱いのにお飲みに為られたのですか?」
「ん……酒?ああ、あの酒か……中々言い味だったぞ?ヒック!田舎の国にしては、良いものをだすものだ!貧乏な国の癖にな?ハハハ!見栄を張っても、我が国に敵わぬのになぁ?マルナス!」
「で、殿下!口を謹んで下さい!」
「煩い!マルナス、私に口答え等許さんからな!私を誰だと思ってるのだぁ~!」
慌ててマルナスが王子の口を塞ぎ、そして腕を掴んで体を自分に寄せ抱える様にして、来た他方向に戻ろうとしながらお兄様達に、詫びの言葉を口にしますが……。
もう遅いわね……?それに私に詫びてないわ!
ムカつく!
「…………み皆様……大変失礼を致しました。殿下はこの通り、酔って居られる様ですね……」
すると王子が暴れて、マルナスの手を口からはがしてまた暴言を吐きます。
これは本当に面白くなりそうなネタをご提供下さって……。
お礼申し上げないとねらないですわね?フフフ。
「ぷっはぁ~!離せマルナス!私は酔って等ないぞぉ~。マルナス!私があの顔だけの女を貰って………」
「で、殿下!……し、失礼致しました……。このお詫びは後ほど……改めて。今夜はもう、遅いですね?私が殿下を連れて行きます。申し訳御座いません。では失礼を。さっ!殿下此方に。さあ、歩いて下さい!行きますよ!」
「煩い私に指図するなぁ~ーー!」
城中に響く声を出して、執事に口を塞がれ身体ごと引かれてフェイドアウトしていきましたが……。
傑作でした……。
おっと、録音ボタンはオフです。「ポチ」
ふぅ~これで喋れますわね?
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13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
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