婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね

いくみ

文字の大きさ
上 下
426 / 574
第13章

第22話 場所は決まったけど…

しおりを挟む


 お兄様と別れて、グレンと二人で厩舎と倉庫側に来ると厩舎と倉庫の間に丁度良い隙間があるわ。
 しかも良い感じの場所よね。
 なら、彼処にしましょう。

「グレン、彼処どうかしら?」

 指で隙間をさして、グレンに相談。

「ああ、彼処ですか?…そうですね、宜しいのでは?」
「なら、小屋を作るわ!」

 小屋を造る場所に手を当てる。
 そして……【クリエイト】と唱える。

 すると簡素な小屋が出来上がった。

「お嬢様……、何時もながらお見事でした」
「それって……バカにしてない?グレン」
「してませんよ?お嬢様を敵に回したくは、ありませんからね?フフフ」
「ん……それって誉められてる気がしないわ!」
「そうですか?私は誉めてますよ?それより、中に入って作業では?」
「あっ、そうでしたわね?グレン入るわよ?」

 マップで、辺りに人が居ないか確認……?
 ん?だれか居るわね……誰かしら…?

(グレン……彼処の陰にだれか居るわね)
(おや?ヴァンス殿下の影では?)
(ん…ちょっとまってね)

 詳しく鑑定……。

名前 マリス・グェンドル
   グェンドル子爵家 次男
年齢 23才
所属…アレク隊隊員

 ……………アレクお兄様の方でしたか。
 なに?そんなに心配なのかしら?

(お嬢様なにか、分かりましたか?)
(ええ、それはもう、ハッキリとね?アレクお兄様の隊員でしたわ)
(でしたら安心ですね?さあ、中に入りましょう)

「そんなに私って……」

 まあ、考えても仕方ないわ!チャッチャッと仕事をしてしまいましょう!
 小屋に入って中をみると……、なんでかしら?
 鍬やらスコップやら、なんやらと道具が有るのよね?
 本当に不思議だわぁ。

 そして、小屋の丁度真ん中辺りにまた扉を造る。
 すると裏口がダミーで、出来たわね。

「お嬢様、その扉を抜けると屋敷に繋がると?」
「ええ、そうなのよ?だけど屋敷の方の扉をどうしょうかしらね?」
「そうですね……屋敷のエントランスはどうですか?」
「それだと邪魔じゃない?」
「そうですか?そうでも、ないのでは?取り敢えず、仮にならですが」
「そう…なら」

 想像しやすいわね。
 なら継げるわね?ゲート!と呟いて、二畳程の部屋に転移門を設置した。

「はい、完了!後は扉に鍵を着けて……お終い」
「外の鍵と中の鍵ですか?」
「そう。この鍵一本で、扉を二ヵ所を開けられるようにするのよ。じゃないと混乱?いえ、二本も持って歩くのは面倒でしょ?」
「……確かに。騎士達は一本でも煩わしいかも知れませんね?ククク」
「笑うところがあったかしら?グレン…」
「いえ、騎士達が鍵を無くして右往左往する姿が…目に浮かびまして」
「性格悪いわね、グレンは?そうだ!鍵を無くした騎士には、罰金を儲けましょう」
「ええ、それが良いですね?」

 なら、スペアの鍵を10本の他にもう、5本作って。予備の5本はこっちで管理。
 それから、私とグレンに一本ずつかしら。

「はい、グレンの鍵よ?ここからでも出入りする時が、あるかも知れないしね?」
「分かりました。が…なるべくならここは、騎士達以外は使わない方が良さそうですね?」
「………まあ、そうだけど。取り敢えず持ってて頂戴。何かあった時に、使うかも知れないでしょ?さて、試しにここを通って屋敷に戻りましょうか?彼方でも作業があるのよ」
「そうでしたね」

 そんな話しをしながら、転移門をくぐると屋敷のエントランスに到着した。

しおりを挟む
感想 140

あなたにおすすめの小説

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。

拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

聖女なのに婚約破棄した上に辺境へ追放? ショックで前世を思い出し、魔法で電化製品を再現出来るようになって快適なので、もう戻りません。

向原 行人
ファンタジー
土の聖女と呼ばれる土魔法を極めた私、セシリアは婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡された上に、王宮を追放されて辺境の地へ飛ばされてしまった。 とりあえず、辺境の地でも何とか生きていくしかないと思った物の、着いた先は家どころか人すら居ない場所だった。 こんな所でどうすれば良いのと、ショックで頭が真っ白になった瞬間、突然前世の――日本の某家電量販店の販売員として働いていた記憶が蘇る。 土魔法で家や畑を作り、具現化魔法で家電製品を再現し……あれ? 王宮暮らしより遥かに快適なんですけど! 一方、王宮での私がしていた仕事を出来る者が居ないらしく、戻って来いと言われるけど、モフモフな動物さんたちと一緒に快適で幸せに暮らして居るので、お断りします。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

捨てられた元王妃は、国を逃れて、隣国王子のもとで、幸せ薬師ライフを送る〜母国が崩壊? もう関係ないので、どうぞご勝手に〜

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
王妃・アストリッドは、遊びに不倫にうつつを抜かす旦那・ローレンの代わりに、趣味の薬学を学ぶ時間も取れないくらい、公務に追われる日々を送っていた。 一方、ローレンはといえば、アストリッドの妹・ハンナと不倫に走る始末。 挙句の果てには計略を使い、アストリッドの屋敷に火を放って、焼き殺そうとする。 使用人に助けられ、辛うじて命を取り留めるも、王妃の座を追われたアストリッド。 彼女は薬師として逃亡生活を送った末、隣国へと逃げる選択をする。 その道中で、隣国の冷酷王子・ルベルトと出会ったアストリッドはそれがきっかけにルベルトに気に入られて、薬師として請われることとなった。 彼と接しながら、平穏な日々を送るうち、アストリッドは絶望から立ち直っていき、少しずつ本当の幸せを知っていくことになる。 (なお、ルベルトから注がれる愛情にはなかなか気づけない) 一方、略奪愛に走った妹・ハンナはといえば、王妃の仕事量に忙殺され、絶望を見ることとなる。 元旦那・ローレンはといえば、なおも不倫を繰り返し続けていて―― 最終的には、しっかりめにざまぁする予定です。 よろしくお願いいたします。

追放されたら無能スキルで無双する

ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。 見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。 僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。 咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。 僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

処理中です...