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第13章

第15話 スキヤキですとぉ!

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 私たちの食事も次々に運ばれて来ますわ。
 今日は何かしら……えっ料理長…が、頑張ったわね。
 …これは…すき焼きですか?
 ええっと私は、料理長にこれ…教えたかしら?
 えっ教えたの?…そう。
 これは…どこから突っ込めば良いのかしら?
 で、目の前に出て来たのは卓上コンロと土鍋ですか……。
 これは?あぁ、一人ずつに出すのね?
 そうでした、食欲魔神が居るからよね。

 で、このコンロに土鍋は?……あっそうですの?
 私が言い出して、ドワーフのおっちゃんに無理を言って作らせた……と?
 …モーリスのおっちゃんごめんなさい。

 豆腐もあるのね、流石に糸こんにゃくは…あるわね?
 蒟蒻芋作ったの…。
 種芋は?……あぁ山から採取ですか?
 苦汁は…海から直送できる…そ、そうね。
 あったんだ…。
 えっ、私が言い出したこれも?
 醤油に味噌は大豆は…そう言えば普通に使ってたわね。
 お酒は?
 米があれば作れる!……嫌、聞かないわ。
 どうせ答えは決まってるのよ!それを私が言ったとね!
 ん~色々と突っ込み処満載ですわね?
 野菜も私の畑直送ですか…ベンそんなに多く作ったの?
 なんだか色々と可笑しいわよね?
 まあ、自分のした事なので今更ですね。
 
「おお、パトリシア!久しぶりのスキヤキじゃないか!」
「えっ?お兄様…この料理を知ってるの?」
「シア、お前が昔料理長に無理言って、これを作らせたんだろ。今更何を言ってるんだ?」

 なあ、料理長と!お兄様が声を掛ける。
 お兄様、どこに声を?と、お兄様の目線を追い後ろを振り向けば…。
 お馴染みの料理長が、出入り口の柱に寄り掛かり、腕を組んでニヤリと笑ってる…なに?
 まあ、あれは放って起きましょう。

「えっと、王都の屋敷では出た事がありませんでしたわよね?」
「………まぁ、そうだな。食材の調達に時間が掛かったからな」
「それにお前、余り屋敷では食事を取らなかったろ?」
「ええまぁ、そうですわね。というか、お兄様達と顔を合わせる時間が、少なくなってましたわね」
「そうだ!あの憎き王家がお前の時間を奪って居たからな!フン」

 フフフ、アレクお兄様ったら鼻息が荒いわね。

「それより早く頂きませんか?私お腹ペコペコなのです」
「「あぁそうだな」なら、頂きます」

 私の一言で食事が始まった。

 がつがつと、お兄様達が食事をしています。
 その姿はまるで欠食児童の様ですわね…。
 にしても、本当に美味しそうに食べるのよね。

 私はチマチマ食べてますが…私がやっと半分食べた頃にはもう、お代わりですか…?
 それも三回目なのね。

「アイザック、わたしに肉のお代わりを!」
「私にも、肉三人前!」
「少々お待ちください」

 アイザック大変ね?がんばれ!
 私が鞄を渡して無いから、イチイチ厨房へ走ってる。
 フフフ、面白い。

「グレン」
「なんでしょう、お嬢様」
「私にも、半分だけお肉屋追加して?」
「はい、どうぞ」
「あら、早いわね?」
「ええ、私には鞄がありますから」
「そうだったわね?」
「ええ、楽ですね?これがあると」

 その会話を聞く兄二人は……私に話し掛けて来る。お兄様……今は話せません!
 お肉が固くなります!

「パトリシアさん?」

 な、なにお兄様【さん】て何かしら?

「なんですの?お兄様……このお肉とぉ~っても美味しいですわね?フフフ」
「そうだね……脂がしつこくなくて……って、違うぞ!パトリシア」
「何かしら?」
「そろそろ、私の執事、マルスにグレンと同じ鞄を、持たせてやってはくれないかい?」
「………お兄様、お野菜を食べないと!お肌が荒れますわよ?アレクお兄様もお肉だけだと、お肌がボロボロになりますわよ?」
「「そ、そうなのか!」それは不味い!」
「マルス私に野菜を!」
「すまんマルス私にも!」
「畏まりました。お待ちください」

 それにしてもハウスメイドどうしたの?
 あら?ハウスメイドって、サロンだけの使用人だったかしら?
 そういえばクレオってどうしたかしらね?
 お父様の執事だから一緒に別邸に居るのかしら?

「お兄様?メイドは連れてこなかったのですの?」

 白菜を食べなからそんな事をきく。
 白菜甘くてトロトロですわね、美味しいわ。

「い、嫌…最近連れてないな…」
「そう…ですか。で、なんでしたか?」

 敢えてここは惚ける。
 だって面倒臭いもの。

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