408 / 574
第13章
第6話 誰が破天荒なの………失礼ね!
しおりを挟むリンゴの飴を商人三人に、先に進めましたが…。
ドワーフのモーリスは食べるかしら?
「モーリスは?食べる」
「嬢ちゃん……それはねぇぜ?俺だって、食ってみたいぜ」
「そ、そう?甘いものは苦手じゃないの?」
「なに!それは甘いのか?」
「ええ、甘い物よ」
「そうか……なら、一粒……」
モーリスが手を出して一粒口に含みました。
どうですか?
「さて、皆様お口に合いまして?」
「…………」「………」「………」
あ、あら、お口に合わなかったみたいですわね?
それなら私とお兄様達で…。
「う、旨い!なんだこれは?!嬢ちゃん、これを俺に売ってくれ!」
「ず、狡いですよ!モーリス殿!これは家が売り出します!」
「へっ………?」
「ええ…!」
「こ、これをですの?」
リンゴの飴を一粒摘まんで聞く。
「父上!これは売れます!リバーシも、そうですが…これも!この飴も売れます!早速何処かの菓子屋を押さえて………」
「おお、そ、そうだなケビン!早速…」
「に、兄さん、それに父上も!飴のレシピを、王女様にちゃんと許可を取ってからです!」
ん?文面可笑しくない?
何を焦ってるの?
「ええっと……落ち着いて、先ず整理させて下さいませ」
「な、なんだ」
「「「なんです?」なんです?」どうして?」
「先ず!モーリスのおじさま、飴は売る気はないわよ?」
「な、なんでぃ!これを売ってくれよ」
「だって……売るなんて思ってないもの。良かったら上げるわよ?ほら」
モーリスに、ガラス瓶に入れた飴を瓶ごと渡した。
「おお、おい!売ってくれないと、受け取れねぇぜ!これは瓶も、値打ちもんだせ?」
「えぇ……!でも飴ごときを売るのですか?」
「ごとき!」
「そんな!ごときとか言わないで下さい」
どうしましょう!怒られました。
先日、飴を一杯作って仕舞ったから味をそれぞれに分けてガラスの瓶に入れたから、何種類もの瓶が一杯あるのよ。
別に売らなくても良いのだけれど?
「えっと、なんでしたらアルス様にはリンゴを。ケビン様にはレモンを。ルース様にはみかんを。はいどうぞ、お土産に御持ち下さいな?」
ポンポンと、瓶を出して三人に手渡した。
「「「こ、これは」凄い」どれも違う味ですか?」
「ええ、そう…ですが…なにか?」
「「はぁ~」シアお前また…」
「え?なんですか?お兄様達、溜め息なんて」
「一体いつ、作ったんだいパトリシア?」
え!今その情報要りますか?
「ええっと先日、厨房で?ですわね」
何が不味いのかしら?
紅茶をすすりながら呑気に思う。
あっ、クッキーがあるわね?頂こうかしら。
あら?フフフ美味しいわ。
「パトリシア……」
「え?なんですの?お茶美味しいですわよ?お兄様」
「シア、お客様の前だ!」
「そうでしたわね?でも喉が渇いたのですもの…皆様少し落ち着いて一度お茶でもどうぞ?美味しいですわよ?」
お茶の中に添えて有った、バラのジャムを入れてかき混ぜてまた一口お茶を飲む。
「うん美味しい」
「王女様には、敵わないですね。全く幼少の頃から天真爛漫なのは、変わって無いご様子ですね。フフフ」
「すまないな、アルス殿にケビン殿。それにルース殿にモーリス殿」
「構わねぇぜ?それでこっちは助かってる。昔から嬢ちゃんの破天荒な発想は、聞いてて面白いからな」
「それなら良いのだがなぁ……」
「お兄様!私をのけ者しないで下さい?それに私は普通ですわ!」
「「「「「「ぷっ」ククク」ワハハハ」ククク」フフフ」フフフ」
な、何で皆で笑うの!!
2
お気に入りに追加
4,148
あなたにおすすめの小説
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)
たぬころまんじゅう
ファンタジー
小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。
しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。
士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。
領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。
異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル!
☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。

スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~
黒色の猫
ファンタジー
孤児院出身の僕は10歳になり、教会でスキル授与の儀式を受けた。
僕が授かったスキルは『眠る』という、意味不明なスキルただ1つだけだった。
そんな僕でも、仲間にいれてくれた、幼馴染みたちとパーティーを組み僕たちは、冒険者になった。
それから、5年近くがたった。
5年の間に、覚醒したスキルを使ってパーティーに、貢献したつもりだったのだが、そんな僕に、仲間たちから言い渡されたのは、パーティーからの追放宣言だった。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる