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第13章
第5話 リンゴの飴をどうぞ?
しおりを挟むさて、話しは終わったかしら?
後はモーリスの工房と、エンバス商会の間の話ですから……私は関係無いかな?
「さて、お話しも終わりまし……あっ!」
「な、なんだい?パトリシア未だ何が有るのか?」
「ええっと……貴族向けはの2セットですが…」
「2セットは?どうするのですか?」
「ええっと……、庶民から話が広まって貴族の耳にでも入って、どうしても購入したい貴族だけに売って下さい。決して貴族にも、商品を押し付けたら駄目です」
「……それは……どうしてか伺っても?宜しいですか?王女様……」
「アルス様と、ケビン様は…分からないのね?なら、ルース様はお分かりかしら?」
「え、私ですか?そうですねぇ……」
あら、考え込んで仕舞ったわ。
分からないかしら…案外簡単なのだけど?
まぁ、この戦略?が吉と出るかは…分からないけど…時の運よね?
「あ!」
暫く黙り混んで考えていた、ルース様から突然声を上げた。
………分かったの?
「な、なに…分かりまして?」
「ええ、なんとなくですが……。人は欲しい物を手に入ると、暫くは遊ぶでしょう。ですが、直ぐに飽きて仕舞うかも知れませんよね?なら本当に、このゲームの価値が分かった方に売れば、大切にしてくれる。長く遊んでくれるかも知れないと…。こんな感じですかね?」
そうそう、それに宣伝にもなるわよ?
「リバーシってやって見ると、結構奥が深いのよ?何通りも攻略の仕方があるし、頭の体操にも成るわ。でも飽きて仕舞うと遊ばなくなるのよ」
まぁ、チェスとか将棋の方が良いのかも知れないけど……。
いまいち、ルールが私には分からないのよね。
子供の頃から、苦手だったから覚える気もなかっと言うのが本音です。
それに、やりたいと思わなかったから。
見たことも触った事も無かったのよね。
今思えば触れて置けば良かったと、ちょっと後悔です。
「パトリシア様、私もお借りたリバーシを兄とやりましたよ?中々戦略が難しいですね?ねえ、兄さん」
「あぁ、私はどうもこう戦略的な事が苦手なようだ。ルースには、直ぐに負けて仕舞いましたよ。ハハハ」
「まぁ、そうですのね?私はお兄様とリシュタールの王都から戻る馬車の中で遊んでましたのよ?中々の、暇潰しに成りましたわ。それにトランプや、ジェンガにと遊具を出して色々………」
「シア!それ以上言うなよ?」
「えっ、あっ……オホホホ私ったら!失礼しました。そ、そういえば、皆さま喉が乾いてませんか?今執事にお茶を……あっ!喉がイガイカするなら、此方を舐めてみてくださいな?」
硝子の小皿にコロンコロンと小さな飴を出して進めてみた。
そして、自分もその飴を一粒摘まんでパクりと口に入れる。
「んふふ。甘くて美味しいわぁ~♡」
ちょっと前に料理長にお願いして調理場を借りてリンゴのジュースで、作った飴玉です。
中々の力作で、グレンにやエルサからの受けも良かったのよね…フフフ。
あぁ、美味しいわ。
飴の出来映えにホクホクして、口の中の飴を転がしながら食べる。なんとも贅沢ですわね?
「おっ、パトリシア?新作の飴かな?」
「ええ、そうですのよ?」
「シア、味は?」
「これはリンゴですわ。出来は良いと思うのですが……どうかしら?」
「どれ?……………ん…これは……中々……上手いな。甘味も酸味もあって……モゴ。これはいいな?後で私にも貰えるかな?」
「ほぅ…なら。私も……ん、これはいいね?シア私にも後で欲しいが?」
「フフフ。分かりました、後でお部屋に届けますわ」
その会話を聞いて商人親子が固まってた……。
あ!お客様に差し上げないで私ったら。
「パ、パトリシア様?此方の物は一体?」
「ええっと私の手作りで、飴と言いますのよ?リンゴのジュース……は、御存じ?」
「飲み物はなのは、分かりますが……飴とは?」
「飴はそのジュースに砂糖を入れて煮詰めて固めたものよ?」
「そ、そうですか……。一粒頂いても?」
「ええ、ルース様どうぞ?その為に出しましたのよ?お二人方もどうですか?子供が喜ぶような菓子ですが…」
「「「で、では、一つ」…」…」
では、頂きますと言って三人が飴を一粒摘まむと口の中に入れた。
フフフどうかしら?手作りとは言え美味しいと思うのよね?
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