婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね

いくみ

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第12章

第26話 私が親切?そんなまさか!

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 婚約者と聞いてパトリシアが、顔を暗くするとそれを目敏く見抜いたイリヤが、パトリシアに突っ込みを入れる。

「なに…パトリシア、王子様に不満なのかしら?」
「不満と言うか……ピント来ないというか?」
「なぁにそれ、贅沢じゃない?」
「そうかしら」
「そうよ、だって王子よ?王子様よ」

 王子様ねぇ……なんだか、王子という人に好かれるのはなぜかしら?
 前のおバカは例外だけど……、それにしても立て続けに王子からの婚約の申込。
 非常にウザイ!ハッキリ言いましょう!
 ウザイです。

 それも前の王子様の方が、食い気味に来てたので…居なくなって良かったけれど。
 今回の王子様は……何を考えてるのかしら?
 私に好意が有るという。
 けど……なんだろう何を考えてるのか分からない。

「そう。王子なのよ?」
「なにが、不満なのかしら」
「不満はないのよ?話せば楽しい方ですし……」
「パトリシア……貴女。ガードが堅いわよ!」
「はっガードですの?」
「そうよ、パトリシアを気に入ってくれてるのよ?それは前の王子じゃ、絶対に無い事だったけれど……」
「そうよ、今の方は違うでしょ?パトリシアを裏切る事は無いんじゃなくて?」
「そうかしら?」
「そうよ、1度二人きりでちゃんと話してみたら?」
「で、でも話題が見つからないのよ」
「話題ですか……それは大事よね!」
「ええ、イリヤもそう思うでしょ?」
「フフフ。パトリシアは、商売人と話しは合いそうね?」
「な、なに突然そんな話しを?マリエール」
「だって、学園に居た頃も、王子妃のお勉強がない日に、学園の薬室に籠って……。何か作ってたじゃない?」
「………あぁ、ポーションとか煙玉とかね。そう言えば色々作ってたわね?(マジックバッグも、あの頃に作ったわね?)」
「ち、ちょっとマリエール、そんな話しじゃなくてよ?王子様との話題よ!」
「あぁそうだったわね?」
「フフフ、良いわよそんなに。真剣に成らなくても」
「全く、パトリシアは、いつも他人事のように自分の事を話すのだから。心配なのよ?」

 他人事……ですか?
 そう言えばそうなのかしら?

「そうよ、人には親切で優しいのに……。自分の事と成ると、雑に成るのは何故かしら?」

 ま、まぁそうなの?随分と私を、分析してるのね?この二人は……。

「そ、そうかしら?自分では分からないわ」
「「…………」はぁ……(自覚なしなのね?)」
「な、なに?二人とも、呆れてないかしら?」

 私は結構我が儘だと思うのだけれど……?
 ねえ?グレン……そうよね?とグレンを見ると、顔を逸らされてグレンの肩が揺れてる?
 あっ、笑ってるわ!なんなのかしら……。
 むぅ……解せぬ!


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