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第12章

第12話 屋台の料理

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 店を殿下と出ると昼の時間が過ぎて居たのに気づく………。
(長居してしまったわ)

「殿下お待たせ……えぇっと……、お付き合いして貰い申し訳ありません。ソロソロ何処かで、昼食でも取りませんか?」

 店の前を離れて殿下と並んで歩き話しをする。

「……待って等ないよ?実に興味深かったたしね。香辛料……胡椒は我が国でも貴重な物だよ」
「そうですのね?どの国でも希少な物ですわね。それにお砂糖もかしら?」
「砂糖はそれほどでも無いんだ。ま、もうあの国に帰るつもりはないから……気にしなくて良いけど。それより何を食べようか?」
「そうですわね?私も食べ物屋さんは……」
「それなら彼処の噴水広場かな?彼処に出ている屋台の物なんてどうだい?」
「屋台ですか?」
「ああ、彼処にあるだろ?」

 殿下が指をさしてる方を見る、そういえばさっきから良い匂いが鼻を擽ってるわね。

「そういえば、良い匂いがしますわ。……これはお魚いえ、貝を焼いてるのかしら?」
「貝?」
「ええ、海で取れるのですわ。知りませんか?」
「すまないね、私の国には海が無いのだよ。だから分からないな」
「そうでしたか、でしたらお魚は苦手ですか?」
「そうだね、出来れば肉類が……」
「なら、屋台でご自分が食べたい物を買って、持ちよりましょう?」
「それは、良いね?なら早く座る場所を探さないと」
「殿下慌てないで下さいな。ベンチならグレンに任せますから」
「ああ、そうか。なら任せて私達は何があるのか見に行こう」

 ワクワクしている殿下に、手を引かれ屋台が並ぶ広場に急ぐ。
 そして私は殿下に話しかける。

「殿下楽しそうですわね?」
「ああ」

 一言だけ答えて微笑まれてしまったわ……。
 て、テレますね……な、慣れない。

 屋台の並ぶ場所まで、殿下と手を繋いで来ると色んな物を売る屋台が並んでいた。
 それに町の人も多いわね。

 肉を焼く屋台に、魚を焼く屋台。
 貝だけを焼く屋台に、バンを売る屋台。
 肉類を料理した物を売る屋台に、魚を揚げて出す屋台と、兎に角色んな料理があった。
 あ、じゃが芋のフライに魚の…いや、待ってチップス&フィッシュがあるわ!
 なんでかな?深く考えるの止めよう。
 なんでこんなに屋台が多いのかしらね?

 王都の公園広場の屋台は確か………あ?無かったわね。
 彼処に有るわけないか……下水道整備がちゃんとしてなかったわね。

 に、してもなんでこんなに多いのかしら?それにジューススタンドっぽい屋台もあるし……。

「パトリシア嬢、これは壮観だな。どの屋台も出して売る、料理が実に旨そうだ!」
「ええ、その様ですわね?殿下どこから……」
「嫌、私マルナスと見て来るよ。パトリシア嬢も、好きな物を買って来ると良いよ?」
「そ、そうですか?それならまた、後で。私もグレンと行ってきますわね?」
「ああ、そうしよう」

 そして私は殿下達を見送る。

 あら、なんで私と屋台を回らないのかしら?
 あ!私……さっき殿下に、お互い好きな物をと言って仕舞ったからかしら?

 意味が違ったのよ~!
 二人て回って冷やかしながら、好きな物を買ってと思ったのに、……今一伝わらなかったわ。

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