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第11章
第9話 顔合わせ
しおりを挟むサロンへグレンと連れ立ってやって来ると、ジークフリード殿下は、もう先にサロンに着いていた様ですわね?
どうやら、私達を待っていてくれた様ですわ。
それに、新しくいらっしゃった執事さんと、従魔のシルバータイガーも御一緒でした。
それにしても、迫力です……わね?
「お待たせ致しました。殿下、待ちまして?」
「やぁ、パトリシア嬢。そんなには待ってはないよ?」
「そうですの?それなら良いのですが……。あの殿下、そちらの方が新しく来られた?」
「あぁ、そうだよ。マルナス挨拶してくれ」
殿下が挨拶をというと、私に顔を向けて丁寧に挨拶をしてくれる。どうやら前の執事とは違う様ね。
「お初にお目に掛かります。私が、殿下の第一執事のマルナスと申します。以後宜しくお願いします」
「ええ、宜しくお願いしますわね?私の執事も紹介しますわね?」
「はじめまして。私がお嬢様にお仕えする、グレンと申します。ここで分からない事があれば、ご遠慮為さらず、何でも聞いてください」
「それは有難いです。グレン殿宜しく頼みます」
ナルスと名乗った執事さん……感じは良いかしら?
まあ 暫く様子見ですね。
「さて、挨拶が終わったかな?パトリシア嬢、私の従魔を紹介するよ?私の従魔で、ライドという宜しく」
「ほら、ライド挨拶は?」
「ガァオ~ン」
「まぁ 良いこ子ね?殿下この子は男の子なのかしら?」
「あぁ、そうだ雄だな」
「そう………さ、触れるかしら?」
「どうだろうか?ライド、パトリシアが君に挨拶をしたいと言ってるよ?触らせても、良いかな?」
すると、ライドと呼ばれたタイガーが、私の側にのそのそと歩いて近寄ってくる。
ええっと…怖がらないで、どんと受け止めれば良いのかしら?
ルクスより大きな子は初めて会うわね……。
近寄って来たタイガーが、私の回りをうろうろとする。時折クンクンと私の匂いを嗅ぐと、舌舐めずりするのは……何故かしら……?
むぅ……私は美味しくないわよ。
「で、殿下私はこのままの方が良いのよね?」
「あぁ、そのままで、ライドが君を受け入れる迄待ってくれ」
「え、ええ、分かったわ……(ルクス、影から出てこないでね)」
そして少しだけ待つと、ライドが私の指をクンクンと匂いを嗅ぐ。そして、ふいと顔を背けるとライドが私のスカートに体を刷り寄せて来た。
「ええっと、殿下これは……?」
「ハハハ、どうやらライは、君を気に入ったみたいだね?頭を撫でてやってくれ」
「まぁ~さわってもいいの?ライド良いかしら?」
「がぅ~ん♡」
何だか了解と言ってる気がるすわね。
「なら、此れから宜しくね?ライド」
ワシャワシャと頭を撫でて、挨拶が終わる。
これなら、私の従魔を、出してもいいかな?
一応……確認してから出すけれど。
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