婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね

いくみ

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第10章

第59話 決心と確認

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「パトリシア嬢それは本当に?」
「ええ、そうですわね。学園の行事も出欠席に制限がありましたし。パーティーやお茶会の出席も、禁止でしたわあの頃は。バカですわよね?ですから、余り他のご令嬢に目を向ける機会が、ありませんでしたわ。ホホホ」
「………君は……本当に。そんな事をあっけらかんと!」
「まぁ、どうお伝えしても本当の事ですから……。ですから、他のご令嬢とは違って、変わってるのかも知れませんわね?」
「本当に君は……。私がもっと早く君と知り合っていれば……」

 そんなことを言っても、今更ですからね。
 もうあの王子は、あの国には居ない筈ですもの。

「フフフ。タラレバは、余り好きでは無いですわ。ですが、ありがとうございます。そんな事を言って頂けて嬉しいですわ。殿下だけですわ。私を可哀想と言わないのは。それだけで嬉しいですわね」
「そ、それでは……私のとの事を?」
「……そうですわねぇ……前向きに考えさせて頂きますわ。それに、この領地に移住も考えていらっしゃるのでしょ?殿下は」
「そ、それは……ヴァンス殿から聞いてるのかい?」
「ええ、伺ってますわよ。私と婚姻できなくても、貴族街に土地を購入なさって、屋敷を建てたいと仰ってるそうですわね?」
「ハハハ。そうだよ、継承件を捨てたからね。後は移住……安住の場所を探すだけだからな。このベルガモットの領地は最高だよ。父上からは了解を頂いてる」
「ご自分のお国で領地を貰ってと言うことは、考えませんでしたの?」
「ん~それだと、義母親達から何をされるか、正直分からない。暗殺されるなんてぞっとするよ」
「そ、そうでしたのね?すみません。変なことをお聞きしまして」

 この領地なら身の安全は護れるわよね。

「ところで、先程のロミノの件だがね?君は安心していてくれて良いよ?代わりの執事を呼んだからね。唯少しお願いがあるのだが……?」
「なんです?」
「飛竜が降り立つ場所が無いだろうか?」
「ひ、飛竜……ですの?広さはどれ程有れば良いのでしょうか」
「そんなに広くなくて良いのだが……騎士達の訓練所の一角ぐらいだろうか?」
「それはお兄様に、確認しないと……?それに飛竜は何時こちらへ?」
「3日後にこの領地に着くのだが……」
「でしたら後ほどお兄様にお伝えして三人で話しましょう。それでいいですか?」
「ああ、構わない。なら、確認させて貰うが……本当に私との事をちゃんと考えてくれるのだね?」
「ええ。お話しをさせて頂いて決めましたわ。正式にお付き合いさせて頂きますわ。ですが……此だけは言わせて貰いますわよ?」
「な、なにかな?」
「私は少しだけ……皆様より魔力が多いのです。その所為で色々と私の力を、利用しようと考える方が出てきます。そして、そのつど排除してきました。暴露すると実は、父と叔父が私を利用しょうとしました。その為お兄様が公国の公王と成りますわ」
「………その魔力とは?」
「そうですわね……これは本当に秘匿にして欲しいのですが、守れますか?」
「もう話を聞いてるからね、秘匿するよ。絶対に話さないし、利用も考えない。シュゼワーグ神に誓うよ」

 そ、そんな大袈裟に言われると……まぁ、それ程の覚悟をして頂けるなら話せるかしら。


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