婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね

いくみ

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第10章

第58話 好物件?

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「あ、あの……ですが。それでは、私が悪い様に思われて仕舞いませんか?私は…何もしてませんわよ?」

 殿下に聞いただけだもの……。

「おっとそうだね…奴も勘違いしそうだ。少し待ってくれ、席を外すが良いかな?」
「ええ、構いませんわよ?」

 殿下が東屋から出ると何にやら考え事をしてるのかしら?
 もしかして……念話かしら。

 それなら案外優秀なのかしら?鑑定したいけど……不敬だし出来ないのが……もどかしいわ。

 なら殿下の採点を、してみましょうかしら?

 容姿、体格……これは、お兄様達と余り見劣りがしないわね?嫌いではないわ。
 物腰……これはまぁ、王族だけあるのかしら?
 性格は、話しても嫌味が感じられないわね。
 判断力もあるわね。
 知性もあるわね。何処かの誰かさんとは大違い。
 使用人の悪態は直ぐに御せるわね。さっきの執事の対応は丸よね?
 お兄様にお聞きしましたが…支度金もちゃんと御用意してきたとか?
 それは、私は要りませんが。
 ……まぁ、気持ちの問題なので……。
 押し掛けて来て、只で此方がお世話をするのは……先の王子様だけで十分ですわね。

 と、言うことは……余り、マイナス要素が無いのかしら?
 あ、あら………良く考えれば殿下って好物件かしら?

 そんな不敬な事を考えていたら殿下が東屋に戻って来て私の横に座る。

 ………何で横に?

「待たせたね。急に席を立ってすまないね?」
「い、いえ。特に待って居りませんわよ」

 殿下にそれだけ言って、冷めた紅茶に手を伸ばす。

「フフフ。冷たいなぁ。まあ、そこが良いのかな?他の貴族のご令嬢とは違うので楽だよ」
「違う……ですか?」
「ああ、位の高い貴族や王族に直ぐに媚びるだろ?やれ良い馬が手に入ったと言って、しなだれ掛かってきて乗馬に誘うとか。諸外国の菓子が手に入ったと言って、茶会に誘ってくる。私も学園に通って居たがね。あの頃は、勝手に取り巻きが作られてて、ご令嬢同士の醜い言い争いが絶えなかったよ。それに比べると……君は冷めてるよな?」

「……そうですかしら……?余り興味も湧かないのですわ。それに学生の頃というか、最近まで婚約者が居りましたし。王妃教育とか理由を付けられて、自分の屋敷と学園と王城の往復でしたし。外出は禁止でしたし……?」

 他の学生……特に殿方と話しをしてるのを、王子の護衛に見られて、告げ口されて王妃からよく嫌味を言われたのよねぇ~。

 あれは面倒だったわ……。
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