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第10章
第54話 殿下の従魔は?
しおりを挟むルトをモフモフしてたら、他の子達の食事が終わった子達が、僕も私もと言ってるのが分かるので。
六匹のチビッ子達と芝生のシートで、殿下をそっちのけにしてモフモフ、していたらグレンに怒られる。
「お、お嬢様!殿下を放って何してますか!」
「あぁ、それね?」
パチンと指を鳴らして遮音の結界を私とグレンの廻りに張る。これでおとは漏れない。
何なら認識阻害の結界も追加です。
「ええっと、何でしたか。……あぁ、殿下を放って置いてですの?」
「お嬢様!これは不味いですよ?」
「良いんじゃないの?あっちの執事が私に失礼なんですもの。顔を見てると腹が立つのよ!食欲も無くなったわ!グレンあれ片付けて良いわ。何なら鞄に仕舞って下げてくださいな」
「で、ですがお嬢様……」
「いい?下げてね。さて、結界を解除するわよ?」
パチンと指を鳴らして全ての魔法を解除した。
(お、お嬢様……どうするのですか……あれ!固まってますよ?)
「良いわよ?それにもうお暇するもの。なんか我が儘だけど……気が逸れたわ」
それだけいって、ルトとグランを抱いて東屋に戻る。
さて、何て言って場を離れましょうかしら?
「殿下?御食事終わりまして?」
東屋に戻って殿下に声を掛ける。
「あぁ、頂いた旨かったよ。それと先程の執事の失言に再度謝りたい。ほら、ロミノお前ちゃんと謝ってくれ。そもそも私がパトリシア嬢に、魔法を教えて欲しいと願い出たのだ。それを何故お前が、シャシャリ出てくるのだ!お陰でパトリシア嬢の、機嫌を損ねて仕舞った」
「も、申し訳御座いませんでした」
殿下執事が深々と頭を下げてくるわ。
あら?私が席を外してから何か、お話しでもしたのかしら?
へえぇ~それは案外好感度は良いのかしら……。
前の王子は少し違ってたわね。
って比べるのも失礼よね。
「い、いえ、私こそ……子供っポイ事を致しまして、申し訳御座いません」
「フフフ。出ていかれたのは、驚きました。すみませんでした。それと……この食事……パトリシア嬢の食事が時間が経って仕舞って、申し訳ないです」
「いえ、大丈夫ですわ。グレン、申し訳ないけど下げて貰って良いかしら?代わりにお茶を、殿下と私に頼めて?」
「……畏まりましたが。お嬢様。料理長が嘆きますね?」
「あ、あら?そうだったわ……後でちゃんと謝りに行くわ。グレン」
「ですね……。それでは少しお待ち下さいませ。ご用意を、致しますので」
「すまないね。グレン殿」
「……い、いえ。私にそのように仰らないで下さいませ。お嬢様の、気まぐれにお付き合いされて申し訳無く………」
と言って出した食事を仕舞い、頭を下げて一旦東屋から出ていった。
「……」
さて何を話しましょうか?
《ねぇご主人?》
(何かしら?ルクス)
《おうじ様の、側に行ってもいいの?》
(ちょっと待ってね?いま確認するから)
《面倒だね?》
(フフフ。少しよ待ってて)
「パトリシア嬢、どうしたのだい?」
「すみません。この子……、ルクスと言うのですが。殿下の側に行きたいそうですわ?側に行かせても大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だよ。えっとルクス?おいで」
「《わぁ~い!》ワン」
「おお、かわいいなぁ~。よし、よし。………ん?」
「なんですの?ジーク殿下?」
「い、嫌、なにも?後で話そう。それにしても……毛並みも良い。モフモフで……触り心地も良い。自国に置いてきた従魔が恋しいなぁ」
「殿下はどの様な従魔を使役しているのですか?」
「え?あぁ言って無かったかな?」
「ええ、多分お聞きしてないかと……」
「そうでしたか?大した従魔ではないので言わなくても良いかと思ってね?でも知って欲しいので話すが……シルバータイガーだよ」
「………シルバータイガーですの?」
そ、そんな魔獣って居たのねぇ……この世界は広いわ!
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