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第10章
第44話 殿下と夕食
しおりを挟む屋敷に戻り、チビッ子達の相手をしていると、そろそろ殿下との、約束の時間に近づいて来ましたので支度を始めます。
庭でチビッ子達の相手をしていたので、クリーンで全身綺麗にした後にお着替えです。
「エルサ、食事だけですからね。緩めのコルセットにしてね、お願いよ?」
「はい!分かって居りますわ、お嬢様」
着替えを終わらせて、エルサにチビッ子達を任せるとグレンと二人で食堂に向かう。
「グレン……。あの王子達の使用人はどう」
「お嬢様その話しは、前にも伺いましたよ?再確認でしょうか?」
「あ、あら……そうだったかしら?忘れてたわ、ごめんなさいね。で?変わり無いかしら」
「特に何も変わらないですよ。流石王族に使える使用人と、いう感じですかね。……私が言う事でも、ないとは思いますが」
「そう……。何も問題がなければそれで、良いわぁ~。もう、トラブルは懲り懲りですもの」
「ええ、全くです」
「「はぁ~」」
と二人で溜め息を付きながら二人で長い廊下を歩いて食堂の中に入る。
「ふぅ~、殿下は未だ来て居ない様で良かったわ」
「それではお嬢様、殿下がお出でになるまでは、少し待つようですね?」
「そうね……グレン。この後の事は色々お願いね?」
「フフフ。お任せを」
暫く待つと、ジークフリード殿下が執事を連れて食堂に入って来られた。
「やぁ、パトリシア嬢。お招きありがとう」
「ご機嫌麗しく存じますわ、ジークフリード殿下。本日は私のお招きに足を運んで頂きまして、ありがとう存じますわ。さぁ、どうぞお座りに成って下さいませ」
「ああ、では失礼。それにしても、今日は楽しみだったんだよ」
「まぁ、そう言って頂けると私共も嬉しいですわね。ベルガモット家のお食事は、お気に召して頂けてますでしょうか?」
「ああ、ここに来てからは。食事の時間が楽しみだよ、どれも旨い!なぁロミノ」
「ええ、食べた事のない食事ですが、味見役もいらない位ですよ。それに殿下共々、私達使用人も食事の時間が楽しみです」
「それなら良かったですわ。後程料理長にも、殿下達が誉めて居たと伝えて置きますわ。ありがとうございます」
フフフ、料理人さん達のモチベーションも上がるわねキット?多分ですが……。
「ではお二人が、お揃いに成りましたので御食事を御用意させて頂きますが宜しいでしょうか?」
「ええ、お願いするわ。グレン」
「では、少々お待ち下さいませ」
食堂の扉を開いて、グレンが料理を乗せたワゴンを押すメイド数人と共に食堂に戻ってくると、次々に私と殿下の目の前に料理が出される。
「…………なんと変わった……料理だ!色が鮮やかだ!だが、この茶色の物は…?」
カレーを見て殿下が、若干引き気味ですわ。
でも匂いは良いと思うのよ。気に入ってくれれば良いけれど……?
「フフフ。物珍しい物で、お口に合うか心配事ですが。……どうぞ、召し上がって下さいませ。本日はカツカレーとサラダ、ワカメのスープになりますわ。それと、別皿に乗るのはエビフライですわ」
エビフライにはちゃんと、タルタルソースが添えてあるわね。
テーブルの上には、ご飯とカツが乗った皿が目の前に置かれる。その脇にはカレールーが入った、グレービーボードが置かれてる。
それとは別に、エビフライの皿とサラダ皿にスープが置かれている。
「こ、これは、どうやって食べるのかな?良ければ食べ方を教えて欲しいのだが?何分初めて目にする食べ物だ。パトリシア嬢……」
「では、この茶色いソースをこのスプーンで、掬いこちらの白いごはんと豚カツが乗る皿にカレーをこうしてかけますのよ?そうしてから食べて見てくださいませ」
「分かった、真似をすれば良いのだな?」
「ええ」
カレー……殿下のお口には合うかしら?
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