婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね

いくみ

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第10章

第36話 お庭を案内

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 今は、お付きが居ないからあれだけど……。絶対数に不敬だと言って怒られるわよ!

「いいから、はい!」

 昔の英語の先生に、Repeat after me.と言われてるみたいだわ。ううう!

「…………いいえ、言えませんわ」
「駄目だよ?ほら、ジークだ!」
「で、ですが……」
「ほら、君が言わないと、時間が無くなるよ?」
「で、でしたら………ジークフリード殿下とお呼びしても、宜しいでしょうか?」
「駄目だね……ジークだ!フフフ」

 お、面白がられてるわどうしましょう!
 ………恥ずかしいわ。

「で、ですが……。で、ではジーク殿下と!これで宜しいでしょうか?」
「ん~仕方ないね!なら其でいいよ。私も君の事は……パトリシア嬢と呼ばせて貰おう。シアと呼ばせて貰たいのだが……それはアレク殿が怒りそうだしね?」
「フフ。それは、アレクお兄様の特権ですのよ?幼い頃からの、私の呼び名ですわ。さあ、ジ、ジーク殿下。お庭ご案内しますわ。宜しければ温室も、ご案内しますわね?」

「なに?温室もあるのかい。それは是非案内を頼みたい」

 そして、殿下と一緒に庭を見て回る。
 途中庭師のベンがいたので少しお話しをして、それからまた庭を見て回る。

 バラに紫陽花、草花は……ビオラにバンジー、忘れな草にマーガレット。
 すみれに、アスター、矢車草、カンパニュラ、ストック、トルコ桔梗に、桔梗、ダリア、皇帝ダリア、ルピナス、それにカサブランカ他色々。
 まぁ~植えたい物を各ブロックで、区分けして植えたから……なんとか成ってるわね。
 唯………本当に季節感がまったく無い。

 それに高い樹木もあるのよね。
 梅に桜に杏と桃に、リンゴに梨でしょ?後は……ああ、レモンに柑橘は……みかんだったかしら?
 少し……嫌……やり過ぎよね。アハハ。

 次々に庭の草木の、説明をしながら殿下と歩く。
 少し……呆れてるかしら?と、チラリと殿下のお顔を見れば………なんだが目が輝いてるわね?
 ……あら、これは好評かしら。フフフ。

「お庭の花等は、こんな感じですわ。次は温室ですが……殿下お疲れでは?」
「いや?楽しいね……。君は草花に詳しいのだね」
「え、ええ、少しだけですわ。それで、如何致しますか?また日を改めてご案内しましょうか?お庭だけで随分とお時間が……」
「え?そうなのかい……まったく苦痛なく聞いてたからね。……時間を余り感じなかったよ、君といると楽しいな実に良い時間だ。だが、そろそろ時間かい?ならまた後日、改めても良いかい。今度は、温室の方を案内を頼んでも良いかな?」
「ええ、私で宜しければ。後日また改めてご案内しますわ。フフフ。ああ、そうですわ、温室の果物をお部屋にお届け致しますわね?メイドに申し付ければ、殿下のお口に入られるようにするでしょうから」
「そうかい?なら是非お願いしょう。楽しみだ」
「そ、それではサロンに戻りましょう?ジーク殿下」
「ああ、そうしょうか?パトリシア嬢」
「ええ、ジーク殿下」

 二人並んで庭を歩きサロンに戻った。
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