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第9章
第21話 母の怒りと
しおりを挟むお母様がゆっくりしたいわと、仰いますが……それは隠居の意味ですか?
「マリーン!お前。それは無いだろう?」
「なんでですの?元々パトリシアをゆっくりさせたいから、この領地に戻ったのですわよね。それを貴方の親は、パトリシアを屋敷から追い出す様な事をして。パトリシアがどれ程傷ついたのか分かりますの?それに……この土地を切り開き、私達に何の不便も無く、住める様にしてくれてるのよ。その事に何も感謝の意を示さないで、今度は追加で施設を造れですって。貴方!パトリシアは娘であって、使用人ではないのよ?それに、どれ程魔力を使うのか分かりますか。貴方はパトリシアを失っても、宜しいの?それ程、魔力の使い過ぎは危ないのよ?」
お母様……久々にオコですわね……?
まぁ、普通の魔法師なら出来ない事ですから。
怒るのは当然かしら?
ドワーフと建築専門の職人を呼んで、日数を掛けて屋敷や城を造るのが、普通の事ですものね?
「母上、お話中に申し訳ありませんが……?」
「あら?何かヴァンス」
「あの……父上を更迭されるのですか」
「それも良いわねと、お話をしてますが?何か」
「それは……少し待って貰えないでしょうか?」
「おお!ヴァンス!お前は私の味方だよ!なっな!」
お父様が情けなく、ヴァンスお兄様に助けを求めますが……お兄様に冷たくあしらわれてますわ。
「……それは無いですが……(私のかわいい妹を利用しようとした者に。なんで味方しないと、いけないのか?情けない)未だ私は家を継ぐのは、早いですよ?足場を固めてませんし。後ろ楯も居りません。些か不安があります」
「それはないわよ!私の兄がもうすぐこちらに到着しますもの…フフフ。この城で一緒に暮らせば後ろ楯にもなってくれますわ」
お母様いつの間にそんな話を、伯父様と進めてたのかしら?
「マ、マリーン?私は義兄上がここに向かってると聞いておらんが?」
「ハァ?なにを惚けてますの?先日私は貴方にお話をしましたわよ!聞いてなかったのかしらねぇ~?」
メイド達には素手に伝えてあり、お招きする準備も出来てますわよ?と仰ってます。聞いてない……。
「お母様?先ほどお父様に私が、伯父様はいつ頃こちらに到着されるのですか?と、伺ったら知らないとか?ご連絡が無いとか仰って居りましたが……?」
「まぁ、なんて事なの!貴方!何故私のお話を聞いてないのかしら?」
「お、落ち着け!マリーン。聞いて無かったのは悪かった、だから落ち着け!すまない」
「ハァ~。グレースさんではないけれど……本当に別居したいわ………貴方がこんなに、ポンコツでどうしますの?本当に、お兄様とご一緒にお仕事出来ますの?」
不安だわ!とお母様が仰います。私もそう思いますわ。
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