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第8章

第41話 約束の

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 お父様が三人に、再度意思確認をします。

「お前達三人には、被害が無かったから報告をしなかった。そう考えて良いのだな?」
「も、申し訳御座いません。旦那様の仰る通りでございます」
「「「お嬢様、大変申し訳御座いませんでした」」」
 
 そう、三人が私に謝ってきますが………。    
 なんなのでしょうか?謝って貰ってるけれど……伝わってこないのよね?なんだっけ……こういう言葉……?
 あぁ、誠意がないのよ!あ~スッキリ!ムカつくわね!
 はぁ~この人達は……私をなんだと思ってるのかしらね?この際ですから、時間を取って一度ちゃんとお話を聞きたいわね。

「「「は、はい。申し訳御座いません」」重々申し訳………」

 すると、執務室の扉がノックされ誰かが部屋に入って来る。

「失礼、父上。おや?どうしましたか?執事が三人揃ってパトリシアに……?」

 まぁ、腰を折って謝る姿を見れば驚くわよね?

「ヴァンス様!」
「マルス、どうした?」
「い、いえ………」

 まぁ、言えないわよね?フフフ!

「どうした、マルス」
「ヴァンス、どうした。何か?」
「ああ、父上……あの」
「お兄様、マルスに聞くと良いですわよ?フフフ。教えて貰えると思いますから?ねえマルス!」

 フン!怒られろ!

「お、お嬢様………申し訳御座いません」

 そのマルスの謝りを、無視してお父様に話し掛ける。

「お父様、私はこれで。先程の、お話しはお願いしますわ?」
「ああ。サロンに、お前と居れば良いのだろ。だが、そろそろ昼時だね?一緒に食堂に行くかい?」
「ええ、でしたらそうしますわ。グレンお願い」
「畏まりました」
「ああ、ヴァンス!お前達は適当にな?」
「………はぁ?」
「クレオ!」
「は、はい!」
「行くぞ!」

 お父様が珍しく低い声でクレオを呼ぶ。

 そして、………食事を終わらせてサロンに異動する。
 と、先客が…いました。
 アレクお兄様……これは、どうしましょう!ノーカウントでした。
 どうしてこうタイミングの良い…。
「おや、父上にパトリシア。お茶ですか?」
「ええ、お兄様そうですのよ」
「お前もか?アレク」
「ええそうですが……どうかしましたか?」
 お兄様の問いに適当に答えてソファーにお父様と座る。
「何でもないぞ」
「そうですか……?」

 アレクおに様が居るのは計算外でしたが…もう仕方ありませわね?
 そろそろクレマンド殿下が来る頃ですもの。
 食後のお茶を飲みながら、ぼんやりと考えているとグレンが側に来て話し掛けてくる。

「お嬢様」
「なに?グレン」
「クレマンド殿下が、お越しですが?いかが致しますか?」
「あら、そうなの?お父様お通ししても、よろしいかしら?」
「ああ、構わんよ。アレク」
「なんですか、父上?」
「お前は、下がってくれ」
「はぁ、なんでですか?」
「お前がいると話が進まん!」
「そんな、父上!私も同席しますよ!どうせパトリシアの事でしょう?」

 言い出したら、利かないわねぇ~お兄様は?

「………仕方ない。だがお前の発言権はないからな!黙ってろよ」
「………分かりました。チッ!」
「お前は!」

 舌打ちしたわ、お兄様……お父様に失礼よ。

「まぁ、お父様。お待たせしてますから、それは後ほどになさっては?」
「そ、そうだな!グレンお通ししろ」
「承知致しました。お待ちくださいませ」

 グレンがお辞儀をして、サロンからでるとクレマンド殿下と、側近のトリマンを従えて入って来た。
 ちゃんと昨日の約束は、守ってくれたようね?

「やあ、皆さんお揃いで。ごきげんようガウル殿。時間を作って貰って申し訳ない。パトリシア嬢も夕べはありがとう。約束通り時間を作ってもらってすまないね」
「いえ、構いませんわよ。私こそ、申し訳けありませんでしたわ?」

 少し言い過ぎたもの………。

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