270 / 574
第8章
第41話 約束の
しおりを挟むお父様が三人に、再度意思確認をします。
「お前達三人には、被害が無かったから報告をしなかった。そう考えて良いのだな?」
「も、申し訳御座いません。旦那様の仰る通りでございます」
「「「お嬢様、大変申し訳御座いませんでした」」」
そう、三人が私に謝ってきますが………。
なんなのでしょうか?謝って貰ってるけれど……伝わってこないのよね?なんだっけ……こういう言葉……?
あぁ、誠意がないのよ!あ~スッキリ!ムカつくわね!
はぁ~この人達は……私をなんだと思ってるのかしらね?この際ですから、時間を取って一度ちゃんとお話を聞きたいわね。
「「「は、はい。申し訳御座いません」」重々申し訳………」
すると、執務室の扉がノックされ誰かが部屋に入って来る。
「失礼、父上。おや?どうしましたか?執事が三人揃ってパトリシアに……?」
まぁ、腰を折って謝る姿を見れば驚くわよね?
「ヴァンス様!」
「マルス、どうした?」
「い、いえ………」
まぁ、言えないわよね?フフフ!
「どうした、マルス」
「ヴァンス、どうした。何か?」
「ああ、父上……あの」
「お兄様、マルスに聞くと良いですわよ?フフフ。教えて貰えると思いますから?ねえマルス!」
フン!怒られろ!
「お、お嬢様………申し訳御座いません」
そのマルスの謝りを、無視してお父様に話し掛ける。
「お父様、私はこれで。先程の、お話しはお願いしますわ?」
「ああ。サロンに、お前と居れば良いのだろ。だが、そろそろ昼時だね?一緒に食堂に行くかい?」
「ええ、でしたらそうしますわ。グレンお願い」
「畏まりました」
「ああ、ヴァンス!お前達は適当にな?」
「………はぁ?」
「クレオ!」
「は、はい!」
「行くぞ!」
お父様が珍しく低い声でクレオを呼ぶ。
そして、………食事を終わらせてサロンに異動する。
と、先客が…いました。
アレクお兄様……これは、どうしましょう!ノーカウントでした。
どうしてこうタイミングの良い…。
「おや、父上にパトリシア。お茶ですか?」
「ええ、お兄様そうですのよ」
「お前もか?アレク」
「ええそうですが……どうかしましたか?」
お兄様の問いに適当に答えてソファーにお父様と座る。
「何でもないぞ」
「そうですか……?」
アレクおに様が居るのは計算外でしたが…もう仕方ありませわね?
そろそろクレマンド殿下が来る頃ですもの。
食後のお茶を飲みながら、ぼんやりと考えているとグレンが側に来て話し掛けてくる。
「お嬢様」
「なに?グレン」
「クレマンド殿下が、お越しですが?いかが致しますか?」
「あら、そうなの?お父様お通ししても、よろしいかしら?」
「ああ、構わんよ。アレク」
「なんですか、父上?」
「お前は、下がってくれ」
「はぁ、なんでですか?」
「お前がいると話が進まん!」
「そんな、父上!私も同席しますよ!どうせパトリシアの事でしょう?」
言い出したら、利かないわねぇ~お兄様は?
「………仕方ない。だがお前の発言権はないからな!黙ってろよ」
「………分かりました。チッ!」
「お前は!」
舌打ちしたわ、お兄様……お父様に失礼よ。
「まぁ、お父様。お待たせしてますから、それは後ほどになさっては?」
「そ、そうだな!グレンお通ししろ」
「承知致しました。お待ちくださいませ」
グレンがお辞儀をして、サロンからでるとクレマンド殿下と、側近のトリマンを従えて入って来た。
ちゃんと昨日の約束は、守ってくれたようね?
「やあ、皆さんお揃いで。ごきげんようガウル殿。時間を作って貰って申し訳ない。パトリシア嬢も夕べはありがとう。約束通り時間を作ってもらってすまないね」
「いえ、構いませんわよ。私こそ、申し訳けありませんでしたわ?」
少し言い過ぎたもの………。
1
お気に入りに追加
4,140
あなたにおすすめの小説
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。
イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました
ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが……
なろう、カクヨムでも投稿しています。
水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?
ラララキヲ
ファンタジー
わたくしは出来損ない。
誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。
それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。
水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。
そんなわたくしでも期待されている事がある。
それは『子を生むこと』。
血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……
政略結婚で決められた婚約者。
そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。
婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……
しかし……──
そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。
前世の記憶、前世の知識……
わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……
水魔法しか使えない出来損ない……
でも水は使える……
水……水分……液体…………
あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?
そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──
【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】
【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】
【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで
ひーにゃん
ファンタジー
誰もが魔力をもち魔法が使える世界で、アンナリーナはその力を持たず皆に厭われていた。
運命の【ギフト授与式】がやってきて、これでまともな暮らしが出来るかと思ったのだが……
与えられたギフトは【ギフト】というよくわからないもの。
だが、そのとき思い出した前世の記憶で【ギフト】の使い方を閃いて。
これは少し歪んだ考え方の持ち主、アンナリーナの一風変わった仲間たちとの日常のお話。
冒険を始めるに至って、第1章はアンナリーナのこれからを書くのに外せません。
よろしくお願いします。
この作品は小説家になろう様にも掲載しています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜
三月べに
ファンタジー
令嬢に転生してよかった〜!!!
素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。
少女漫画や小説大好き人間だった前世。
転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。
そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが?
【連載再開しました! 二章 冒険編。】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる