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第7章
第1話 領地到着
しおりを挟む大きな川を抜けて領地までの旅を続けてやっと後少しで領地です。
馬車の中で、お兄様と執事二人を巻き込んでジェンガをしながら兄に話し掛ける。もちろん!膝にはチビッ子の二匹がいます。
「お兄様、長かったですわねぇ~?」
「お、おう!そうだな!」よし!
もう少しで、旅が終わります。
「あ!そこ、私が………」
「お嬢様!勝負は、早い者勝ちですよ?」
「クゥ~!グレンの意地悪!」
「なら、私はここよ…………」
「パトリシアお嬢様………そこに行きますか?でしたら私は………ここですかねぇ………」
アイザックが、そお~っと棒を引き抜く。
「アイザック!お前!…………な、なら、私はここだ………あ!」
カラカラ~と音を立ててジェンガが崩れる!
「「「ああぁ~」」」
「はい!お兄様の負けぇ~!!」
「ハハハ。楽しいなぁ?シア!だが飽きた!」
「そうですねぇ~。テーブルゲームも一通りやり尽くしましたしね?」
「しかし、シア?お前は何でこんなにゲームを知ってるのだい?」
「え!」
それを今聞くの?
「知ってると言うか………。こうしたら面白いのでは?という思いつきですわよ?」
ああぁ、前世でゲーム考えた人………ごめんなさい!よし謝った。
「そうなのか?」
「ええ、それにほら、このカードは殿下も御存じでしたしね?」
「………まぁそうだね」
あら?不機嫌ね?話題を変えないと!
「あ!グレンお茶飲みたいわ?」
「そうですねぇ~?何かとっておきはありますか?お嬢様?」
「そうねぇ~?なら、アップルティーにしましょう!」
「「「??」アップル?」とは?」
あ!リンゴ………そうでしたわね。
「ま、まぁほら、作るわよ?流しへ行くわよ?」
そして、リンゴを出して薄切りにしてドライでリンゴの薄切りを乾かす。
「お嬢様?それは何故、乾かすのですか?」
「乾かすと風味が増すよの?グレンお湯沸かしてね?お水はい!」
ヤカンに水を入れて渡す。
「畏まりましたよ?」
「あ、アイザック!ティーポットにお茶の葉入れてね?」
「承知しました」
三人で手分けをしてお茶を入れる。
「お湯沸きましたよお嬢様?」
「ありがとう、グレン。アイザックティーポット貸して」
「こちらですか?」
渡されたポットに、お湯を入れてからリンゴの薄切りを入れて、2分蒸らしカップに注ぎ入れる。すると、僅かだけどリンゴの良い香りが広がる。
「はい!お兄様。お茶ですわよ?グレン、アイザックもどうぞ?」
「申し訳ありません。お嬢様、私達にまで入れて頂いて」
「良いのよ?ついでですもの」
そう言って、私も自分の分をカップに入れてお茶を飲む。ハァ~良い香り!
馬車の中から外を見ると、見覚えがない風景が続く。
逆にアレクお兄様は、懐かしい風景が見えたのかしら?ご機嫌が良いようですわね。
「シア?」
「なんですの?」
「そろそろ領地入るぞ!ほら、あそこに門が見えるだろう?あれをくぐると屋敷までは近いぞ!」
「そうなのですねぇ~。お兄様、お屋敷ってどんな感じでしたの。全く覚えて居りませんのよ?」
「まぁそうだろうね?私達はシアから遅れて王都に入ったからね、あの頃シアと離れて暮らしてたしね………。シア久々の我が家だ、これからはゆっくり出来るぞ?」
「ウフフ。そうだと良いですが………そうも、行きませんわよ?お兄様?」
何せ、独立国を立ち上げるのですものね?
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