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第6章

第81話 領地へ

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 そして、足留めから6日目にやっと私達が川を渡る事になった。
 だが、橋が壊れているので渡し船の用意を、とお父様が言い出しましたが……面倒ですわ。

 私が向こう岸に行って転移門を開けばいい話です。
 なので勝手に、チャッチャと川を渡る準備をしましょう。
 この際、面倒なので飛行の魔法を付与したキックボードを創造魔法で作り、川向こうへ渡ります。

「出来たわ!これぞチートなのでしょうか?アハハ。さてまずは試し乗りよね?」

 そう思って、人目の付かない所を探して実験をします。

「えっと……これに乗れば良いのね?」

 ハンドルを持って、ボードに片足を乗せ反対の足で一蹴りして、魔法をハンドルに流すと前に進みながらフワリと地面から身体が浮き上がる。

「うわぁ~。身体が浮いたわ、これ面白い!」

 ………って遊んでる場合ではないわね!
 前に進むのには?えっとあ!ハンドルにボタンが付いてるこれを押すと?

「ああ、前に進むのねぇ~~!止まるのはどうするのぉ~!!」

 あ!違うボタンがある!これを押すの?
 あ!止まって地面に降りれるのね?

「分かったわ、右のボタンが発信で左が止まるのね!」

 そんな試し乗りを一人でしたいたら。なんと、クレマンド殿下が此方に来てしまったわ!ご……誤魔化せないわ!

「パトリシア嬢!そ、それは?」

 何ですかと聞かれて、返答に詰まる。

「ええっと……これは」

 ああ、もう!仕方ない!

「えっとですね。これに乗って向こう岸へ行って、転移門を固定してくるのですわよ!あまり詳しく、聞かないで下さいませ?今は時間がありません!では、私は失礼しますわ!」
「ま、待ってくれないか?パトリシア嬢。君、余りにもおかしな事言ってるよ?」

 ああ、また面倒ですわ。

「なら、ほら」

 一言言ってキックボードに乗り地表から浮き上がる。

「は……?浮いて……」
「ね?これでお分かりかしら?今は殿下と話してる暇はありませんのよ?これから向こう岸へ行かないといけませんのに」
「わ、私も乗って見たい!是非!」
「今は、駄目ですわよ!しかもお立場が御座いますよ殿下?」
「そ、そうか………なら!後で絶対だ!」

 まるで子供ですねぇ~?

「フフフ。側近の方が、お許しに成られたらですわね」
「まぁ~そうなるか……」
「では、私はこれで。あぁ、殿下は馬車でお待ちくださいね?」
「ああ、分かった気を付けて。それ、後で絶対ですよ?」
「分かりましたわ!約束です」

 殿下と手短に約束をして、お父様の所へ戻る。

 この約束が、ある意味二人が近づく切っ掛けと…………成るかは?神のみぞ知る…………?

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