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第6章

第78話 領地へ・・・足留め

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 殿下のいきなり爆弾投下で、アレクお兄様が不機嫌になる。

「なんですか?殿下。私とシアに何か?」

「いえ、アレク殿とパトリシア嬢は?私が貴女方を兄弟だと、知らなければ勘違いをしそうですよ?それでは、パトリシア嬢が気の毒では?ねぇパトリシア嬢、後程私の馬車へ来ませんか?貴女からお借りしてるカードで、遊びましょう?(仲が良いのも度が過ぎると、勘違いをされてしまいますよ?)」ニコリとパトリシアに笑い掛ける。

 殿下、アレクお兄様を挑発しないで下さいませ!
 するとアレクから冷たい風が吹いてくる。
 それに、カードの事は言わないでくれると有り難かったのになぁ~。何故今ここで言うかな?

「お、お兄様!冷気漂ってますわよ!寒いです止めてください?殿下も余り軽口を仰らないで下さいませ?」

 アレクお兄様がニッコリと笑って、私に顔を向けてくる。こ、怖い……。寒い!

「あ?寒いかい?それは済まんね」
「それは済まないね?軽口を言った覚えはないのだが?パトリシア嬢?でも余り兄妹仲が良いのも考え物では?」
「仲が良いのは?問題ですの?」
「おい!シア。で?」
「で?なんですの?忙しいですわよ!そんなに畳掛けて話をしてこないで下さいませ!お二人とも!」
「なら、シア。殿下の馬車にお邪魔するって?貸したカードとやらは?」なんだ?
「殿下に退屈しのぎにと、カードをお貸ししただけですわよ?」

 これは………怒ですね?とりあえず今は逃げましょう!

「あ!お食事、食べ終わったわ!食器片付けますわよ!ねっ?」

 席を素早く立って、皿をある程度持って料理長が居るかまどへ向かって走って行く。

「こ、こら!シア!待て。まだ、ちゃんと話が終わってないだろ。シア!」

 お兄様の声が後ろからするけど……ここは逃げます。どうせ後からお説教が始まるのでしょうから……。
 良いじゃない!少しくらいコミュ取ったって!

「フフフ。逃げられましたね?(せっかく私がパトリシア嬢と話してたのを邪魔しやがって)」
「ええ、全くですよ。では、殿下私も失礼して馬車に戻りますよ(俺のかわいい!シアを口説くんじゃねぇよ!くそ王子)」
「ええ、また後程?」

 なんだか、近寄りがたいバトルが勃発中の席は誰一人近寄ることはなく食事が終わり、周りの使用人がほっと肩を撫で下ろした。

 そして朝食の時間が終わる。
 まぁ、この後馬車の中でパトリシアにアレクの雷が落ちたのは言うまでも無い事である。



 
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