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第6章

閑話 大国の危機 Ⅱ

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「そ、そんな馬鹿な!たかが婚約破棄ごときで、他の領地を通る通行税が上がる?農作物や魔獣の問題が、関係してる訳がなかろう!」

 国の一大事を、たかがと言い切る無能な者が騒ぎたてる。

「いいえ!絶対に関係者してます」
「通行税を上げたのは、ベルガモット家の寄り子達の領地ですよ?関係無くはないです?(良く考えろよ!)」
「私の領地からは、農作物や害獣の被害に遭ってますよ!今までこんな事はなかったのに!ベルガモット家が、王都から出て行ってから直ぐですよ?可笑しいでしょう!」
「そんな、訳がなかろう?作物は時間を掛けて育つ物が多いはずだぞ?ルーベルトのせいではない!」
「そうは、仰いますが。急に害獣が増え、農作物が荒らされ水害に合うなんて、これまで一度もなかった……」
「私の領地もです!田畑の土が荒れてしまって、今年は例年の半分も、税は納められないですね。魔獣も多く出て、危なくて農作業が出来ないと報告がありましたよ。陛下のご子息のせいです。(何してくれるんだ!)」

 どれも私と、息子の所為でもない。
 関係がない話しだろうに?なにを勘違いしている!
 それに、私が攻められるのは可笑しいだろう?攻めるのならば、あのベルガモットを攻めてくれよと内心思う国王である。

「これは、由々しき事態です!どうするお積もりでしょうか?是非、陛下のお考えをお聞かせ願いたい」

「……………」

「陛下!黙っていても、一向に問題が解決もしませんし分かりませんよ!」

 一人の大臣が強く声を出して囃し立てる。

「分かった。今回の事でそなた達の領地からの作物が、不作ならば無理は言わん。納められるだけでも納めて欲しい」

 そうしないと、物と金が回らない。

「私の領地と、他の領地も無理です。例年通りの額の税を国に納めてしまったら、領地の領民が飢え死にしてしまう。税を高く出来ないので無理です」
「それは私の領地も同じですな!」

 そう、口々に家臣達が無理だと言い出す。

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