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第6章
第60話 領地へ 夕食は。
しおりを挟む私が黙ると、会話が途切れてしまって何となく場が静まる。
すると、側近のトリマン様が何か頼み事をしてくる。ある意味チャレンジャー!です。
「そ、そう言えば、馬車の中の飲み物が無くなってしまったのですが。何か補充は出来ませんか?」
「え?其でしたら、後でメイドに届けさせますわ?お水と、ワインで良いかしら?」
とお母様が受け答えをする。
「ええ、お願いします。マリーン婦人ありがとうございます」
「それと、朝に頂いた。レモンを入れた水もお願いしたいのですが……。宜しいでしょうか?」
クレマンド殿下も追加で頼む。
あら?気に入ったのかしら?
「ええ、ならそれも用意しましょう?パトリシアお願いね?」
「ええ、分かりましたわ。お届けしますね?クレマンド殿下」
何故私?
「すまないね。パトリシア嬢」
「いえ?どういたしまして」フフフ。
さて食事も終わったので、(あ!忘れましたわ。ごちそうさまでした)料理長のところにゴーです。
「お父様、私。夜の御食事で打ち合わせしてきます。後、殿下にお届けするお水も取って来ますわ」
「なんだ?何か思い付いたのか?」
「ええ、少し」
「パトリシア!俺はカレーライスが食いたい。因みにカツカレー!」
「おお!それは良いな?私もそれ食べたい!」
お二人共、お腹一杯じゃないのかな?
夜の食事をリクエストできる兄様達って凄い。
「分かりましたが……お父様、宜しくて?」
「あ、ああ、任せるよ。私も楽しみだ!」
「では、頼んで来ますわ。殿下も馬車でお待ちくださいませ?」
「ああ、ありがとう」
そう言って、皆其々に馬車に乗る順次を始める。
(ルト、ルクス)
《何?主》
《ご主人なに?》
(料理長のところに行くのだけれど、いく?)
《ん~お腹一杯だからお部屋に居たい》
《ボクは主と行くぅ》
(分かったわ、ルクスちょっとまってね?)
「グレン!」
するとグレンが歩いて側に来る。
「パトリシアお嬢様、お呼びですか?」
「ええ、ルクスと馬車へ行ってね?」
「分かりましたが、パトリシアお嬢様は?」
「ああ、料理長と夜の打ち合わせよ?」
「……分かりました。では、ルクス行くよ」
「わん!《ご主人あとでねぇ~》」
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