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第6章
第52話 領地へ
しおりを挟む場面は変わって野営地ではパトリシアが、なにやら少し怒られる。
パトリシアが、グレンとアイザックを連れて自分の馬車に戻る。
「お嬢様!」
エルサが、馬車の扉の前で腕組みして仁王立ちで私を怒鳴る。
「え、エルサさん?どうしたの?」
うぉ!ビックリした!エルサさん驚かせるのはやめてね!
「何処に要らしたのですか!私だけ置いてけぼりになんて、酷いですぅ!!」
「え?私は、お兄様の馬車に居ましたわよ?全くエルサは心配性ね?さぁグレン、アイザックに部屋を案内して上げて?ついでにアレクお兄様の部屋もね?」
どうやら誤魔化せたわね!良かったぁ~エルサは怒り出すと長いのよね。
「畏まりました。では、アイザック。こちらへ案内しますよ」
「ありがとう、暫くよろしく。パトリシアお嬢様、宜しくお願いします」
「ええ、宜しくね」
そして、暫くするとアレクお兄様達が、戻って来たのでお父様と一緒に出迎える。
「只今戻りました、父上」
「ああ、ご苦労だったな?で?殿下ご一行は?」
「ああ、あちらですよ?」
とアレクが指した方を見ると、丁度クレマンド殿下が馬から降りる所だった。
馬から降りた、クレマンド殿下が私達に気が着いたのか?私達の居る方へ側近と共に歩いてくる。
「クレマンド殿下、お帰りなさいませ?で良いのでしょうか?」
「ああ、パトリシア嬢、戻ったよ。さぁ?私の帰る場所では無いが、一時的にはお世話に成るからなぁ?」
そんな話をしていたら、お父様がクレマンド殿下に出発の旨を告げる。
「クレマンド殿下?無事に戻られたようですね?」
「ああ。手間を掛けさせてしまったが、問題が解決しましたよ?多少馬車が勿体なかったですがね?さて、そろそろ出発の時間ですか?」
「ええ、それでは早速馬車にご案内致しますので。ご用意が出来ましたら出発致しますが、宜しいですかな?アレク案内してさせあげろ」
「承知しました、父上。さぁ、クレマンド殿下ご案内しますよ。シアお前も一緒に来いよ?」
「え?分かりましたわ。御一緒致しますお兄様」
なんか……見透かされてるのかしらね?
やらかしてるか感があるから、また怒られる?
はぁ~良いじゃないの?あの窮屈な、馬車に乗せるのは気が引けたのよ!
お兄様の後を付いて行きながら、そんなことを考えていると、アレクお兄様の馬車の前に着く。
「さぁ、これが殿下のお乗りに成る馬車で……す。ど、どうぞ中にお入り下さい」
とアレクが吃るものの何とか、殿下に馬車に入る様に進めた。
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