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第6章
第39話 領地へ 枷?
しおりを挟むまって!すっごっく嫌な予感がします。
ヴァンスお兄様とアレクお兄様も、予感がするらしく嫌な顔をしてますが……お願いです。私と目を合わすのやめて下さいませ。
「ヴァルガンド殿下。お願いとは?我々にも限度がありますが、出来る事ならお力添えを致しますよ?」
父親様がそう言った。
これは仕方がない選択ですわよね?ここで、この4人を放り出す訳には行かないもの。
「そうして頂ければ、此方も有難い」
と言って、クレマンド殿下が頭を下げる。
続いて側近のトリマンが願い出てきた。
「でしたら、お願いしたいのですが。まず一つは、先程馬車を預かって貰って居りますが。あれをここよりまだ後ろに、置きたいのですが宜しいでしょうか?」
私とアレクお兄様以外がきょとんとする。
そして父が口を開く何故かと。
「え?後ろにですか、それは何故か?」
「ここより後ろが、我々が帰るルートです。そこに置いて欲しいのです」
「それはかまいませんよ?だが修理は?」
するとクレマンド殿下が会話に入る。
「それは要らないよ。そこまでして貰う義理も無い。それに、あれは捨て置くので大丈夫ですよ」
「………わかりました。成らば明日の早朝にでもアレクと家の者で、置いていきましょう?」
「いや、それは申し訳ないので。アレク殿のお力をお借りするのと、私の側近が行いますので。それまで待ってて欲しいのだが」
「わかりました。その様に致しましょう」
この世界、馬車を捨てたぐらいでは何ともない。
でも魔物の住みかに成らない様に、バラバラに壊して置かないといけないのよね?
「宜しくお願いするよ。そしてもう一つは、鎖付きの枷はないですか?」
「枷?」
「ええ、あいつ!私の命を狙ったのでね?」
外に縛って転がしてある、あいつだよというクレマンド殿下に全員が納得する。
「その前に、殿下。今夜はあの者どうしますか?」
ヴァンスがクレマンド殿下に問う。
「ああ、あれか……?仕方がないので私と同じテントに縛って、転がしておくよ」
「そうですか?では、枷の鎖の長さは?」
「そんなに長くなくても、良いのですが?」
「成らば、朝までに用意致しますわ?」
「そうか?それなら願いするよ。宜しく、パトリシア嬢」
「わかりましたわ。それだけで宜しくて?」
「いや、最後にもう一つ有るのだが………」
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