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第6章

第19話 領地へ (改訂)

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「アレクこっちは、大丈夫だったか?」
「あぁ。ヴァンス兄上、シア。こちらは方付きましたよ?兄上達は?どちらにいたのですか?」
「え?あぁ。パトリシアの護衛だよ、全く・・パトリシアがキングコボルト、2体すんなり倒したよ・・・俺の出る幕がなかった(瞬殺だそ!)」

 と落ち込むヴァンス。

「お兄様、ごめんなさい?だって・・・連携って苦手なんですよの?」

 私はと言い訳をしてみたが・・・通じるかな? すると、兄二人が大きなため息をついた。

「「はぁ~~~」」

(やらかすとは思っていたが、ここまでするとは思ってなかったよ。どうやって誤魔化すか?いや、誤魔化すのは無理があるな・・・・。
目の前で妹が魔物を一撃で、倒したのを見るのは慣れたつもりだったが、まさかキングクラスも一撃とは・・・・。
まぁ私の妹は、凄かったで済ませるか?)

 ヴァンスがなにやら考え込み黙る。
 そして、ヴァンスが指揮する専属騎士隊の隊長が走って来る。

「失礼します。ヴァンス様、あちらの方達がヴァンス様達と、お話がしたいそうです」

 隊長が走って来た方向に目を向けると、4人の男性が座り込んでいた。

「わかった!今行く。アレク、パトリシアお前達も一緒に行くぞ」
「「はい、兄上」お兄様」

 座り込んで居る4人の男達の側に行き、ヴァンスお兄様が声を掛ける。

「貴殿達、大丈夫か?怪我人は居るのか?」
「あぁ、貴殿達が手を貸してくれて助かったよ。先ずは礼を感謝する。怪我は大した事は無いが・・・つ!」

 と言って、男が腕を押さえる。

「怪我を、しているのか?」
「い、いや大丈夫だ。大した事はない」
「ですが、痛いのですよね?」
「だ、だが治療をする程でも・・・・つ!」

 顔を歪ませまた腕を押さえた。

「あぁ、見てられないですわよ。腕を出して下さいませ?」
「い、いや?だが・・・・」
「面倒な方ですわね?全く・・・」

 見ると4人全員が怪我をしていた、当たり前ですね?あれだけのコボルトが襲って来てたのですから。では、行きますよエリアヒール!

 すると、座り込んでいた4人にキラキラした光が包み4人の傷が治って行く。

「はい!痛みは取れましたね?」
「「「す、すまない。助かったよ」」」

 だが一人だけ礼を口にしない男がいて、何やら悔しがる。

「チッ!」

 今舌打ちしたのかしら?何故?

「そこの方?まだどこか痛みますか?」

 ん?と首を傾げる。まだ痛いのかしら?
 それならと悔しがる男の目の前に、移動して膝を折って顔を覗き目線を合わせた。
 すると、男が目線を反らし短く礼を言った。

「す。すまん」
「大丈夫でしたか?なら良かったですわ?」

 クスリ、と笑い立ち上がった。

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