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第4章 

第5話 ~ 静観するパトリシア 5 ~

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「さて、残りはお前達だ!」

 転がったままの息子と、ピンクの髪をした女に声を掛ける。

「父上。私は、悪くない悪くないんだ!そ、そうだ・・・・パトリシア。あいつが悪いんだ!あいつがエミリアを虐めたから、悪いんだ!!」
「はあ?お前まだパトリシア嬢を悪く言うんだなぁ・・馬鹿者が・・・・」

 ハインツが呆れて口を開くと、王妃も呆れて同意する。

「そうよねぇ・・何で。こんな息子に成ってしまったのかしら?」

 何処で間違えたのか・・・・。

「母上た、助けて・・・ヒック」

 子供に戻った、ように泣き始めたルーベルトだが自分は悪くないと言い張り続ける。

「パトリシア嬢が一度でもお前に、何かした事が有ったか考えてみろ。まぁ・・それも届かないな」

 クレールがルーベルトに聞くが、泣くばかりで全く無反応だった。
 だが更にハインツが話を続ける。

「それと、お前・・何処から金を引き出した?泣いてないで答えろ」

 ルーベルトの、着ていた襟を両手で掴み引っ張り顔を向けさせ目を見て問い質した。

「ヒッ!あ、兄上そ、それは・・・私が父上に払って貰おうと・・・」
「ほう?小遣い以上の金額を、働きもせず。学園で真面目に學びもしない者に、父上が何故・・あれ程の大金を、払わなければ成らない?」
「あ、あれ程の金額?」
「先程のシュバン子爵に、父上が言ったろ?聞いて居なかったのか?お前があのエミリアとか言う、娘に貢いだ金額が、併せて白金貨2枚だ!」
「は、白金貨!に、二枚?其れは可笑しいですよ?私はそんなにエミリアに、物を買っては・・・」

 言いながらエミリアの、方へ顔を向けるとエミリアは血の気の失った顔をして、ルーベルトから顔を背けた。

「そうか・・・だが、多額の金を使い込んだのはお前だ。利用されたものお前が馬鹿で、考えが足りなかったからだ。分かるな?」
「兄上、私は、悪くないエミリアに騙されたから・・・」
「ちょっと、あたしはその王子が、嫁にしてくれるって言ったのを義父に話したら、勝手にあの二人が王子名義で、物を買って行ってのよ!あたしは関係無いからね!」
「だとさ、ルーベルトお前、騙されてるの分からなかったのか?何が【真実の愛】だ!馬鹿者が!」
「クレール兄上・・・・」

 其れだけ言ってルーベルトは、自分がした事が分かったのか騙されたのがショックなのか?
 判断は出来ないが項垂れた。

「さて、ルーベルト。後はエミリアと言ったか」
「あ?はぁ・・・・」
「・・・・・」
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