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第3章
閑話 国王side 1 王子ざまぁ カウントダウン 1
しおりを挟む国王と王妃が、息子ルーベルトを引き連れて王城に戻る馬車の中で、王妃がルーベルトに対して怒りを現した。
「ルーベルト貴方、何をしてくれましたの!」
「な、母上? 何を、お怒りになって要らしゃるのか?」
「何を? ですってまぁ! 陛下! 貴方訊きまして今のこの惚けた言葉を!」
「ヒッ!なんだ?」
「何だ? ではないですわ! 訊いましたでしょ? どうしますの“これ”」
と自分の息子を指を差して"これ"と呼ぶ。
「どうすると、申してもなぁ~。ルーベルトお主、此から如何するつもりだ?」
「如何? とは何ですか?」
「「はぁーーーー。」」
国王、王妃二人揃って頭を抱える。
「ルーベルト、お前に先ず一つ確認するぞ。前にも、お前にはこの話をしたはずだぞ。お前は、学園の卒業は出来んと。そう言ったはずだが。な何故に、此度の卒業パーティーにお前は現れた? 更に確認だ!何故、パトリシア嬢にあの様な話を…婚約破棄等とふざけた事を、あの場で言い放ったのだ?」
父が言い終わると少しの沈黙があった。
「ん??」
「父上、何故私が、学園を卒業出来ないのですか? そんな話しは聞いて居りません!」
「「はぁーーーー」ルーベルト!」
だって可笑しいだろう?
私は王子だぞ!
卒業など、簡単に出来て当たり前だ!
何を可笑しい事があるか!
「陛下。わたくし、この子……要らないわ。ハインツとクレールが居れば国は安泰ですわね。この子が居ると、兄達の足元を揺るがし兼ねないませんわ。それと、あのベルガモット家の事も気になりますし」
「へっ、母上?今なんと仰りましたか?聞き間違えで無ければ、母上は、私を要らない? え?」
「はぁ妃よ。自分の子を要らない等と………だがそれも仕方がないのかぁ~?」
だがしかし、揉めた相手がベルガモット家だ。
長年、宰相からはパトリシア嬢の事を蔑ろにすれば……!
と、話をされて釘を刺されてきたのだ。
それをこの馬鹿息子がやらかした。
息子の行動に目を瞑り、見逃して居たのがこの結果だ。どう言い訳をすれば良いのかも、分からんのが今の現状だ。
「ルーベルト、お前の理解力は良く分かった。だがもう一度話すぞ! 先ず学園卒業の件だ。お前の学力試験の結果は、全て最下位だったな?」
「え?そんな事はないはずです! あっ!それは、パトリシアが悪いのです。あ奴が教師に何かを言い私の事を落としめ…」
この息子の馬鹿な発言に、ワナワナと震えて拳に力が入ると思わずルーベルトを殴り着けてしまう。
ガッツ!とルーベルトの頬を殴り鈍い音がして馬車の中が一瞬揺れた。
「い、痛い!父上。私が何をしたのですか!」
殴られた頬を抑え、ぶつかった肩も抑えて父に抗議する。
「馬鹿者!! 何を言ってるのだ! お前の行動はな、逐一学園の理事から連絡が来てお前の行動等筒抜けなのだ。何がパトリシアがなにかしただ! この愚か者」
「へ、陛下落ち着きましょう。馬車が揺れてるわ」
「あ、あぁそうだな。妃よすまぬ」
父上が俺を殴っただと!しかも俺が学園を卒業出来ないだと!己れパトリシアお前何処まで俺を馬鹿にするのだ!!!
(何か、お門違いな考えでパトリシアを愚弄するルーベルト。そもそも学園の卒業が出来ないのも、父が怒りを現すのも。自分が原因なのだが……お馬鹿な王子には、今の時点では分からないが……果たして分かる日が来るのだろうか?)
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