婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね

いくみ

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第2章

卒業半年前 3 (改稿)

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 おっといけない…オーラが出てしまったわ。押さえないとね。


「…まさか…あの方はまた、何かをしていらしたのかしら?」

 教えてくれなくても良いけれどねぇ~。
 どうせまた何か仕出かしてるのでしょうし、私は知らない振りをしたいわ。

 本当にあの方は、学園を卒業する気が在るのかしら?王家に名を連ねて居て“あれの”他は、ある程度優秀でいらっしゃるのに。その脈略と受け継いだ高貴な王族の中で、あの方は糸もあっさり断ち切って留年とかだったら笑える。

(直ぐ上のお兄様、第2王子のクレール殿下は学年主席で卒業された筈なのにねぇ~。ほんと"あれ"…は屑だわ)



「ええとその…。何かでは…無いのですが。殿下は、どこかのご令嬢と腕を組みながら、城下を歩いていらっしゃり。そして、殿下が数人を連れて、如何わしい場所に入って行ったと。ルーベルト殿下を見掛けた方から聞きましたわ」

 ご令嬢と腕を組んで如何わしい場所にね…。
 全く護衛は何をして居るのか?
 ん?待てよ…まさか護衛も遊んでいるのか?

 あの方、城下町なんかに行って何をしているかしら。
 全く民の前で恥を去らして何をしてるのやら。

 しかし、この事は陛下は知っているのかしら?知っていて黙って見逃して居るのなら、国ごとぶっ潰してやるわよ?

「み、間違いではなくて、ですの?」
「ええ、間違い無いそうですわ」
「そうですか…教えて頂き有り難う御座います。この話しはもう皆さまが知っているのかしら?」
「学園中、多分ですが…その知らない方はいませんわよきっと」
「そ、そうですか。教えて下さりありがとうございます」

 はぁ~やってくれましたね。
 と思わずニヤケる。
 そのにやけた顔をクラスメイトに見られるのは不味いので、下を向き両手で顔を被って笑いを堪える。

 パトリシアの肩が震えて居たので案の定、勘違いをしたクラスメイト達は口々に私の事を"お可哀想に"と言うのだ。
 どうやら、私が悲しみに打ち震えていると勘違いをしてくれている。
 実際には違うわ!
 とうとう、私にも転機が来たらしいわと、歓喜にうち震えているだけであるのだが……。

 これで、私の手を汚さず勝手に自滅してくれれば私的に万々歳だ!
 私は悲劇のヒロインに慣れるのですもの。
 でも…悪役令嬢はごめん被りたいわ。

 王子殿下、どうぞご勝手自滅して下さい。そして私に二度と係わらないで下さいましね。ルーベルト殿下!二度いうわ!二度関わるなとほくそ笑む。

「パ、パトリシア、貴女大丈夫なの?」

 私が下を向き、震えたのに心配したのか隣に居たイリアが心配をしてくれる。

「だ、大丈夫よイリア有り難う」

 といい、下を向いた私が顔をあげればニコリと笑顔を張り付け心配してくれるイリアに向けて微笑んだ。
そして

「……皆さま、お騒がせ致しました。私の事はお気遣いなく。私は大丈夫ですわ。さあ、まもなく授業が始まりますわ席に着きましょう」

 そうして居るうちに教師が教室に入って来て授業が始まった。

 それから私達三年生達は、学園に居られる時間もあっという間に過ぎて、何時しか卒業間際迄の時間は自由登校になり、あっさりと卒業パーティー当日がやって来ていた。

 そしていま、私はパーティーからの帰りの馬車の中にと言うわけである。



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