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第2章
*パトリシア幼少時代~3* (改稿)
しおりを挟む抱き上げられ父が私の頭を撫でてくれる。
そして、父は陛下に抗議する。
この光景を見て何とも父が逞しいと思った。
「恐れながら陛下……。私の娘をこの様に侮辱する為だけに、私達を呼ばれたのでしょうか?」
「そうですわ、いくら子ども……王子様とはいえ、あんな暴言余りにもこの子が可哀想ですわ。貴方これで失礼致しましょう」
私を抱き上げたまま、謁見の間を出ていこうとする父と母。
「ま!まて、まって欲しい。今日は宰相親子を呼んだのは。うちの第三王子の…息子の希望でな、そなたの娘パトリシア譲と婚約を結びたいと申したのでな? それで来て貰ったのだが……」
陛下はチラリと私を見る。
だけれど私は、父に抱かれて居る状態のまま、陛下の話を訊き理解し父の首にしがみつき訴えた。
「いや! 絶対にいやよおとう様いや、絶対に嫌だ」と父にだけ聞こえる様に小声で訴えたのだった。
父も母も王子のあの態度を見た上で、この人達は何て事を言うのだと思ったのだろう。二人で顔を合わせ絶句していたのだ。
「「!」」
私の言葉を訊いてくれて、父が怒りを抑えたように、震える声で陛下に向かい話を始めた。
「恐れながら陛下。誠に申し訳御座いませんが、そのお話は、お断り、したいと存じます。陛下に対して不敬では御座いますが、此度の陛下からのお話は、聞かなかった事にして戴きとう御座います」
そう告げると父と母は謁見の間を出て屋敷まで戻ったのだが。
後日、それでもどうしても私と王子を婚約させたいと、国王夫妻からの打診があり。その申し出を断れず、私の意思は無視された形で王子と婚約をする事になった。
私の思いは王家に踏みにじられた。
父と母が私に謝る。
どうしても国王には逆らえないと言って謝ってくれたわ。だけれど、もう少し待ってくれと言われ。仕方なく私も我が儘を言わずに、両親の言う事に従う事にした。
5才の子供が、大人の、両親の、頼みを聞き訳けたのだ。
それからが大変だった、ベルガモット家のために頑張ったわよ!私は幼いながらも頑張った。前世の大学受験より私的には、大変な時間だった。そして、十三年もの長い時間頑張ったのだ。
自分の時間は僅かにしかなくても、ベルガモットの家のために頑張ったのに!
何故こんな仕打ちを受けないと為らないのかしら?
誰でも良いから教えてくれない?
どうして?
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