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第1章
閑話 残された卒業生達 (改稿)
しおりを挟む会場に残された卒業生達や、その親族は呆気にとられパトリシア達を見送る。
残された関係者は、部外者のエミリアただ一人。その部外者であるエミリアに卒業生達が冷たい視線を送る。
そして、会場のしらけた空気を一気に変えたのは他でもないイリアとマリエールだった。
「なんですのこれは、私達の卒業パーティー台無しよ!」
「そうよ!貴女がなんで未だここに居るのかしら?」
そう言いながら、イリアとマリエールがエミリアに詰め寄る。
「貴女、何してくれてるのかしら?」
「え? なにをですか?」
「あら~馬鹿はここにも居たわよ!イリア」
マリエール!それな!
「本当よ!図々しい」
「ば、馬鹿なんて失礼だわ。ルーベルト王子に言います」
「あぁ~何でもどうぞ? それと貴女、この学園の生徒じゃ無いでしょ? 良く入り込めたわね?」
「それにしても、ウフフ…パトリシアと、王家の話し合いが楽しみだわ。精々首を洗って待っている事ね」
本当に楽しみだわ、あのパトリシアがここで泣き寝入りなんて絶対にしないのは、長年付き合った私達が保証する。
「そ!そんな脅しは聞かないんだから!王子様が私を守ってくれるもの、あと私のお父様が黙って無いんだから!お父様は子爵なのよ」
「フン、子爵なんて目でも無いわ!私のお父様公爵だけど何か? 後マリエールも私と同じ公爵家ですわ」
(馬鹿にしないで欲しい、下位の子爵など恐くもない)
「ねぇマリエール、そうですわよね?」
小声でマリエールに話し掛ければ答えは同じだった。
「あたりまえですわ」フフフ!
「全く何処までもお目出度い頭なのね? だから髪もピンクなのかしら? ほら、部外者は出て行きなさいな。全く!いつまでここに居る気かしら? 図々しいわね」
そのイリアの言葉に、ホールに居る全員の卒業生達から出て行けと怒鳴られたエミリアが慌てて会場から走って逃げて行った。
「フン覚えてなさい」
その捨て台詞を吐いて、エミリアその場から走り去って行ったのだった。
ふん、そんな捨て台詞誰も覚えて無いわよ。
貴族はそんなに暇ではない。
「いや、忘れる」
「うん、忘れる」
それな!
「さぁ皆様!何やら騒ぎがありましたが…ここは忘れて、もう少しだけ学生を楽しみましょう」
「今宵だけ、だけどね」マリエール、それな!
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