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第1章 

第11話 卒業パーティー会場で婚約破棄 3 (改稿)

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 はぁ~もう良いかしら?さっさと家に帰りたいなぁ~。
 お腹すいたし、お風呂も入りたいなぁ。
 そんな場違いな事を考えて、陛下と王子のやり取りをお父様とボンヤリと眺める。 



「馬鹿を申すでないこのバカ息子。だいたい、お前がパトリシア嬢を幼い頃に気に入ったと申すので、婚約をしたのであろう? それを今さら婚約破壊だと!何を馬鹿な事を申すのだ!ほれ、パトリシア嬢に詫びをしろ。そしてパトリシア嬢をエスコートしなさい!」
「いいえ父上、私は本当の愛を見つけたのです。ですから、この…パトリシアとは婚約を解消をするのですよ。こんな意地の悪い女など、王子の私には相応しくない」

 その言葉を利用させてもらう。
 しかし本当の愛ね、片腹痛いわ何が本当の愛だ!
 そんなもので茶は沸かせんわ!フン!

 何が幼い子供の頃私を気に入っただ、そんな素振り1ミリも見させなかっただろうが!意地が悪いのはお前だ!

「あぁ…訊きましてお父様? なんて事を酷いわ。そして、なんと卑劣なのでしょうか? 王家の方は、何故こんなにわたくしに酷い仕打ちするのでしょうか? 私に何の恨みがあるのでしょうか? お父様教えて下さいませ」

 王子の言葉傷付いた振りをして、私は父様に寄りかかり泣き崩れる姿をこの場に居る全員に見せる。

 まったく気分はすっかり悲劇のヒロインです。本当に気分が悪い。
 ですが、こんな姿を皆に見せるのは私のプライドが許さないのですが…ここは我慢です。
 これを機に、すんなり婚約破棄をして貰わないとなりませんもの。

「パトリシア、可哀想に。ほら、しっかりしなさい。一緒に領地へ帰ろう」
「まぁお父様、良いのでしょうか?」
「あぁ、王都には金輪際来る事はせんよ」

 ほうら、お父様が私の芝居に乗ってくれました。流石お父様です。
 そして、こんな三文芝居を父としていると、後ろから兄様達も参戦です。
 どうやら私達を援護してくれるようね。
 フフフ楽しく為って来たわ!
 それに、マリエ-ルとイリアをちらりとを見ると二人がニヤニヤして此方を眺めてるし。

「父上、パトリシアがどうか致しましたか? なにやら不穏な言葉を彼方の方まで聞こえたのですが」
「これは失礼しました陛下、挨拶もせず。ですが陛下、僭越ながら私の妹が何か陛下に失礼を致したのでしょうか?」
「おお、ヴァンス殿とアレク殿か!いやこれは…済まぬ。どうやらこのバカ息子が、そなたらの妹であるパトリシア嬢に婚約破棄をな...」

 とホホホと、肩を落とす。

「まさか!そんな王子!そんな無体な事を妹に申されたのですか?」
「そんな、酷いでないですか!王子。幼い妹に王家が無理やり王子の婚約者にと申し出ておいて、妹の自由何年も奪っておきながら、今さら何を仰るのでしょうか? どの口がそんな勝手な事を言うのか!」
「そ、それは…」

 おお、ヴァンスお兄様とアレクお兄様が怒ですわ。

「ルーベルト王子、これはどう責任取るお積もりでしょうか」

 ギロリと、ヴァンスお兄様が王子を睨み威圧する。

「ヒッ!」と悲鳴を上げ縮こまる残念王子。

「まあ、まあ、ヴァンス兄様。ここは祝いの場です。ほら、他の生徒達も居りますし、この話は日を改めませんか? パトリシアを屋敷に帰して、休ませないと。父上もそれで宜しいですか?」
「アレク、そうだな...そうしょう」
「「「では、陛下、これにて御前を失礼致します」」」
「ま、待ってくれぬか? ほ、ほら別室を用意するのでな、と、兎に角待ってくれぬか」

 国王陛下が私たち親子に頭を下げる勢いで、何とか私達を止めてるわ。

 ククク笑える。

 あっお母様のお顔が……こ、怖い。
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