婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね

いくみ

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第1章 

第10話 卒業パーティー会場で婚約破棄 2 (改稿)

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 さて、これは困ったわね。
 どうしましょうかしら?

 何故、わたしが顔も知らない人に嫌がらせをしないといけないのかしら。
 誰か私に説明してくれないかしら?

 しかも、大きな声で話すから周りから注目浴びてるし、父の方をちらりと見たら…あらら家族全員居るわ。(笑)
 あっ、入口に見えるのは国王陛下と王妃様がお揃いで此方に向かって来てるわ。 
 それならば…行きますわよ。

「コホン。まずは、ルーベルト王子様。貴方様は何か、勘違いして居りませんか?」
「勘違い? 何に勘違いをする事があるんだ。申してみよ!この悪女め!」

 あ、悪女ですって!
 言うに事欠いてこの私に向かって悪女等とと申のすかい!
 この駄目王子ムカつくわね。

 でもなんか久しぶりにこの人と長く話をするわね。
 だけれど、皮肉ですわね?
 久しぶりの会話がこんな会話なんて。    
 ああ、めんどくさいですわ。

「では、伺いますが私の婚約者は貴方でしたわね? それは間違い御座いませんか?」
「ああそうだ!だがこの場で、お前の様な陰険な女とは婚約解消だ! 即刻解消を言い渡す!」

 よっしゃ~!釣れたよ簡単だな。
 父様母様、兄様達取ったど~!言質取った!

 私の両親の居る所で、ましてや国王陛下夫妻が居る所で婚約破棄と宣った!

 ニッコリと家族席に笑みを送る。
 すると家族全員から、サムズアップが返される!ヤッホーイ。もう小躍りしたくなるわね。

「ふふっ…マリエール、イリア、いまあの王子様からのお言葉お聞きになったかしら?」

 私の後ろに居た二人に、ススス~っと近寄り小声で二人に話し掛け今の話を訊いたかと確認する。

「「ええ、間違いなく訊きましたわ。ええ、間違いなく」」

 二人とも二度と言ったわ。

「ふふっ、ありがとう」
「王子様? それは本気で御座いましょうか?」
「本気だ!お前の顔など、見たくもないわ!直ぐこの場から立ち去れ」
「では本当に、私との婚約は破棄で宜しいのですね?」
「くどい!何度も言わせるな、お前などとは婚約破棄だ!」

 王子の言葉を確認するため、わたしは王子の言葉に二言はないか確認したんどけど、何故かまた王子に怒鳴られた。
 その怒鳴る王子の腕には、見ず知らずの女がニッコリと笑って自分の腕を王子の腕に絡めてるのが目に入ってしまったが…そんなことは知った事ではない。

 ふん、勝ち誇って居るのかも知れないけれどねぇ~、私はそんな男は要らない熨斗を付けて贈ります。
 貰ってください。 
 返品不要です。

「では、私はもう王子様の婚約者では無くなりましわね? もう何方からも文句を言われる筋合いは御座いませんね?」
「あ、ああこの場から早く出ていけ!この性悪女!」

 おお!性悪女とまで仰いますか?
 さっきは悪女で、今度は性悪ですか?
どこでそんな言葉を覚えたのかしらねぇ。

 まあ良いでしょう…百歩譲って許して差し上げますわ!不本意ですがね!

「わかりましたわ王子様。それでは、私はこれで失礼致しますわね。ごきげんよう」

 王子の前で、綺麗にカーテシーをしてその場を退出しようとした。
 が、王子の後ろから今来たばかりの国王陛下が、私に待ったを掛けてきたのですが…。
 えっと、なにかしらこの期に及んで一体何のご用かしら?

 何故今更待ったを掛けるのかが不思議ですわ。

「ま、待てパトリシア嬢! 少し待ってくれぬか?」
「まぁこれは国王陛下、ご機嫌麗しく存じますわ」

 陛下にカーテシーをして、頭を下げ挨拶。
私につられて、イリアとマリエールもカーテシーをしてる。


 けれど…私にはもうここに用はないわ。卒業式やその後のパーティーに出られなくて残念ですけど。

「ああ、パトリシア嬢そちもの…。では無いぞ!どういう事だね? これは是非、私にこの事態を詳しく教えて貰いたいのだがな?」
「詳しくと申されましても、私は今陛下のご子息であさせられる、ご子息様に婚約破棄を言い渡されましたので。なにもわたくしから申し上げる事は御座いませんわ。陛下には、私の悲しみがお分かりに成って貰えませんの?」(おバカ王子の後ろで訊いてたでしょうに!ウフフ)

「す、すまぬ。だが何故こうなった?」
「私も、何が何やらわかりませんわ。直接其方のご子息様にでもお伺いくださいませ」 

 陛下と二人で王子そっちのけで話していると、お父様が後ろから現れてくれた。
 よし!これで私が陛下と話さなくてすむわね。
 ありがとうお父様!

「失礼しますぞ、陛下」
「おおこれは、ベルガモット宰相…如何した」
「如何で…ごほん。陛下、私の娘が何か? 娘が陛下に失礼でもしましたかな? パトリシアこれはどうした?」
「お父様……わたくし」

 そう言うと、お父様が私の肩を抱き込む様に肩を抱き締めて、国王と王子を睨み付ける。

「…ベルガモット宰相、すまんが少し待て。ルーベルト!そなた、このようにパトリシア嬢を泣かせおって!何のつもりだ!恥を知れ」
「ち、父上。その者は、私の愛するエミリアに嫌がらせを…」
「喧しいわ!何が愛するだ、お前の婚約者はパトリシア嬢だろうが!」
「ですから、今こうして婚約破棄をした所です」

 と、偉そうに胸を張る王子…。

「何を勝ち誇った様な顔をして、馬鹿な事をほざくのだ!この愚息め」

 全く、馬鹿な王子だこと。
 事の重大さを分からないなんて。

 昔から足りないとは思って居たけど、本当に成長してない。馬鹿なままの王子なんだなぁ。

 会話を聞きながらボンヤリと考える。

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