転生したら乙ゲーの世界で第三王子だったので、悪役令嬢が押しな俺は絶対に婚約破棄なんてしない！

第2章

閑話 悪役主人公 side 1

　起きてください。
　起きて……○ゆ○さん………。

「ん？誰、あたしの事を呼ぶのは？」
「あぁやっと起きましたね？竹○○ゆ○さん？」
「えっと……ここは…どこよ？　それにあんた………だれ？」
「私はメイリーン。エルダール世界神様の使徒です」
「そ、その人様があたしになにか？」
「ええ、貴女は選ばれました！」
「は？　なにに選ばれた？」

　胡散臭い！し…こいつ頭おかしいんじゃん?!　と、取りあえず逃げないと！

「あぁ逃げても、逃げ場はないですよ？」
「は？なにそれ？」
「貴女は選ばれたのです！」
「………なにに？」
「世界神様が想像して作った、世界で暮らせる事をね？」ニコリ。

　な、何だが訳が分からない事を言って笑ってるけど………一体全体なんなのよ！
　あたしは、今直ぐ部屋で乙ゲーしたいんだけど?!
　困るんだけど！押しのラインハルト様を攻略するために、好感度MAXを目指してるんだから邪魔しないで欲しいのよね！

　こんな訳の分からない場所には居られないの。

「あの………竹○さん？聞いてますか？」
「え？あぁ、なんでしたっけ？あたし帰りたいんだけど」
「………かえる？」
「そう！帰りたいの！」
「どちらへ？竹○さん？貴女はもう死んでますよ？」
「は？死んでる？な、なんでさ？」

　あら………良く見ると魂が霞んで濁ってます。困りました………何故、世界神様はこの様な屑な魂をお救いするのでしょうか？ですが私は世界神様の一番の使徒！この大切な任務を完璧にこなさないと！

「さて、貴女はどうやら事故に合った様です。そこで、私の主人である世界神様が、貴女を哀れにお思いに為ったようですね？」
「えっ？なにしてくれるの？　何であたしが死んでるのよ！」
「さ、さぁ？私は使徒ですので…。詳しい事は、聞かせられては居りません。ですので、私の仕事を全うさせていただきます！」
「はぁ？なにそれ？詳しく聞かせてよ！」

　あ！分かった、あたしが死んじゃったって事は転生？ねぇ！転生なの？
　やだ！あたし、異世界に転生しちゃうの？
　やった！お嬢様になれるの？
　ラッキー！あたしの回りの糞みたいな奴らから離れられる。

「あの～貴女の考えが、ただ漏れなのですが……。何か勘違いをしてる様ですが、転生ではありませんよ？転移です。どうやら、貴女にはご希望がある様ですね？ですが…申し訳ありません。……私では、貴女のそのご希望には添えません。では、さ～よ～う～な～ら～」

　どんと、竹○み○○という人間の魂が世界神様が管理する世界へ魂がだけが落とされた。

「あぁ、身体ですが………これを、使ってくださいねぇ～！」

　とポイと、劣化した身体を魂が入る器の身体を女の魂と一緒に落として送り出してしまった。
　なんの説明もせずに、使徒は勝手に一つの魂を放り出した。

　それから落とされた魂と器になる身体は、時空の狭間の中…何故か自然と合致して神が管理する世界に落ちていった。