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第2章
第10話 不審者
しおりを挟むそんなフォローはいらない義姉上!
「ち、ちょっと!私を無視しないでよ。それにラインハルト様でも、グランバル様でもどっちでも良いのよ。私は、スチルさえ取れれば!全くこっちの世界ってなんて不便なの!(くそ!あいつ絶対あとで文句言ってやる!)それに!そこの悪役令嬢!」
乱入してきた女がサリアをゆびさす。
「え?私ですの?ラインハルト様!怖いわ」
「大丈夫だよ?サリア」
抱いた肩を更に強く抱いて、侵入者からサリアを庇う。
「ちょっと!そこ離れてよ!ラインハルト様は私のよ!」
「あれは……なんだね?ライト」
「知りませんよ?私は……頭のおかしい平民か、位の低い貴族の娘では?サリアの通う制服を着ているようですが……。高位のご令嬢でしたら、もっと礼儀も知ってるでしょうしね?」
「まぁ、そうだの?すまぬなライン。すまないがバイゼル殿!」
「なんでしょう?陛下!」
「貴殿の家の、衛兵を借りたいが……良いだろうか」
「ええ、陛下構いませんよ?私の家の兵士がその可笑しな娘を捕らえますゆえ!おい!その可笑しな娘を捕らえて警備団の牢へ連れていけ!」
「は!畏まりました!」
バタバタと兵士が、乱入してきた女を数人の兵士が囲み逃げられない様にすると、1人の兵士が女の腕を捕まえて。パーティー会場から連れだそうとするが……女が抵抗して暴れる。
「な、何をするのよ!痛いじゃないの!私はラインハルト様と結婚するのよ?未来のお妃よ!」
「煩い!殿下には、決まったお方がいらっしゃるんだ!出鱈目を行って皆を騙すな!不届き者め!」
それだけ言って兵士は女に縄を掛け、数人で引きずって会場から消えて行った。
せっかくのサリアの誕生日が、台無しにだ!クソ!あのバカ女め!
「サリア大丈夫かい?」
「え、ええでも……殿下。本当に、お知り合いなでは無いのですか?」
「嫌!知らないよ?あんな何処の誰かもわからない人はね?」
「そうよ?サリアちゃん。ライト殿下は王子ですもの。一方的にあちらがライト君を、知っててもおかしくはないでしょ?」
ナイス!義姉上!
「そうでしたわ!ごめんなさいラインハルト様。私………混乱してしまって」
「大丈夫だよ?気にしないで。ほら、しっかりできるかい?今日は君が主役なんだからね?」
「フフフ。そうでしたわね?」
全く………あの女!スチルなんてこのパティーで、取れる場面なんてない筈だよな?
あ!ダンスか?でもお生憎様だとっくにサリアと踊ってるわ。フン!
「そうだよ?それに今の不審者は、グランでもいいと、言っていたろ?なぁグラン!」
「殿下!私を巻き込まないで頂きたい!だが………サリア嬢?私もそう聞いたよ?」
「それも………聞きましたわね?本当に、ごめんなさい!」
「フフフ。大丈夫気にするな?しかし……父上!」
「なんだね?ライト?」
「今の女は、妙な術を使う様でした。私とグランが気分が悪くなりました。怪しいですね?」
「そ、そうなのか?グランもか?」
「はい!陛下。私も殿下同様に気分が悪くなりまして……」
「そうか、牢から出したら危なさそうだが。妙な術を使われても厄介だ!魔封じの魔道具を用意させるか?」
「その方が宜しいかと……」
「さて、騒ぎは収まりましたわね、パーティーをつづけましょう!」
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