転生したら乙ゲーの世界で第三王子だったので、悪役令嬢が押しな俺は絶対に婚約破棄なんてしない!

いくみ

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第1章 

第7話 兄夫婦 1

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 アハハ、義姉上様よ!貴女の分はないのだがね……さて、どうしますかね?

「申し訳ございません、義姉上……この菓子は余り量を作って居りませんですので……サリアの分しかご用意がないのですよ……」
「まぁ、そうでしたのね?でしたら仕方が無いわね?私はお茶ですましましょうかしら……?」

 それとなくサリアを、チラリと横目で見る。
アザトイ………それを察知したサリアが義姉上に気を利かせる。

「あ、あの……お義姉様?私が殿下に頂いた物で申し訳無いのですが……ご一緒に如何ですか?」
「まぁ、嬉しいわ?流石サリアちゃんよね?将来良いお嫁さんに成るわね!ライト君も見習え!」
「は?義姉上?それは私の手づくりですがね?」
「………本当にお前は、器用な奴だよ……誰に似たのだかな?」
「失礼なことを、言ってませんか兄上?」
「ハハハ!本音だ許せ!ライト!」

 そんな………真面目な顔して………。

「プッ!フフフ!」
「クスクス!」

 義姉上とサリアが笑い出す。

「な、なんだい二人とも笑って?」
「い、いえ、仲が宜しいなと……ねぇ?サリアちゃん?フフフ」
「ええ、お義姉様?そうですわね?クスクス」
「ハハハ、ライト笑われてしまったよ!」
「ええ、そのようですよ?さて、サリア?そのクッキー皆で食べようか?」
「ええ、ラインハルト様!そうですわね」

 メイドから皿が出されるとその上にクッキーを広げる。

「まぁ~!美味しそう!ライト君、頂くわね?」
「メリダ、先ずはサリアが先にだよ?」
「あ、あら……ご免なさい!サリアちゃん一緒に食べましょ?」
「ええ、お義姉様」

 サリアがクッキーを、一枚摘まむと手で口を隠しながらクッキーを噛る……小動物の様だね?
くぅーーーーかわいい!じゃねぇか!

「あら、美味しいわ!ラインハルト様!このお菓子美味しいですわ……」

 すると、義姉上様も誉める。

「ライト君これ、美味しいわ?今度はもっと作って下さらない?」
「こら、メリダ!」
「あら、だって!これ(クッキー)本当に美味しいのですもの?」
「義姉上?それは構いませんが……」
「構わないなら?良いじゃない?」
「ですが……食べ過ぎは、太りますよ?」
「え?本当に?」
「ええ!本当にです!まぁ、たまに食べるから美味しく食べれます!なのでまた今度、お作りしますよ?」
「わかったわ………ライト君……」
「ええ、その内にお作りしますよ?」

 横目に座るサリアを見たら摘まんだクッキーを手に持ち固まっていた……アハハ!

「サリア?どうした?」
「え?ラインハルト様?これ食べると太りますの?」

 ハハハ。気にしてるのかな?かわいいねぇこの子は……。

「大丈夫だよ?量を食べなければ?」
「ほっ、良かったわ!もう!ライト君!脅かさないで?」
「本当ですわ?ラインハルト様の、意地悪!」
「さて、なら、私も頂こうかな?」

兄上がクッキーを一枚口に入れる。

「ムグ……うん!これは旨いね?ライトまたお前の手づくりか………。そういえば今夜の晩餐もお前が作るのか?」

 サリアが居るから、お前が作るのだろ?と聞いてくる。

「ええ、そうですね?料理長と相談してありますよ?」

 何かな?問題でも?

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