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第1章
第5話 悪役令嬢2
しおりを挟む隣で顔を隠す、サリアの手を掴んで開き顔を覗く。
「まだなんて………酷いですわラインハルト様の意地悪!」
「フフフ、ごめんよ?怒らないでくれ。お詫びにこれを渡そう」
ソファーから、立ち上がってデスクの引き出しから小さな包みを出す。
「はい!お詫び!」
と、言ってサリアの手に包みを乗せる。
「ラインハルト様?なんですのこれ?なにか?甘い匂いがしますわ?」
サリアが、手に乗せられた包みをじっと見つめる。
「まぁ、いいから開けてごらん?先日材料が手に入ったので、作らせたんだよ?」
「また、無理を言って、料理長を困らせたのですか?」
「ハハハ、よく知っているね?サリア!」
「何年、お付き合いしているとお思いで?知私がラインハルト様の事を知らないなんて事はありませんわ!」
「なら!それは要らないのかい?要らないなら私に返してくれないか?」
ふて腐れて、手を出して返せと言う。
「嫌ですわ!私しが頂いたのに返せと仰るの?ラインハルト様は、やはり意地悪ですわ!」
ぷうっと、頬を膨らませて怒るサリアガ可愛くて仕方がない。
「そうかい?そうかなぁ?」
そう言って、サリアの目を見ると不意に可笑しくなって二人で笑い会う。
「「ハハハ」ウフフ」
「サリア。なら、それを持ってサロンに行こうか?お茶でも飲みながら、食べるときっと君も気に入ると思うよ?」
「そうですの?ならお呼ばれ致しますわ殿下。フフ」
なんと、かわいい仕草だろう。
これが私の愛する女だよ。
誰だよ?このかわいい生き物が悪役令嬢と言ったのは!
ゲームの世界に連れて来られた主人公!
お前の入る隙はない!バットエンドを迎えて現実の世界に帰れるなら帰ってくれ。
頼むから、俺の幸せを壊してくれるなよ?
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