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第一章 婚約者破棄
第10話
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陛下達から足早に離れ、父達が待つ会場の外へ出ようと歩き出した所で、見知らぬ男性に腕を取られて「待て」と止められたのだけれど……
その男性を良く見れば卒業生ではあるのよ。
卒業生しかこの会場にはいないし、それを分かる様に生徒にはブルーの花飾りが付けられてる。
男性には胸元に。
女性は髪飾りにブルーの花が使われてるしね。
で、私の腕を掴む殿方の……お顔は思い出せない。
ごめんなさい。
私の長い学生生活では、殿方の友人は作れなかったのよ。
王家の目があったので。
要は、私に悪い虫が付かない様にと王家から監視をされていたって事。
王子がああなのに、私は監視付きってとっても理不尽よね。
以前王妃様に御相談したけど…「それは出来ないわ」と駄目出しされたのは記憶に新しい。
あ、また話が飛んだわね。
えっと…それでこの方はどちら様でしたかしら?
私この方に何かしたかしら?
「あ、あの………」
「あ、ああ、申し訳ない。腕が痛かったでしょうか? 軽く掴んだ積もりでしたが、貴女のその細腕には痛かったでしょうか? それでしたら申し訳ない」
そう言いって掴んでいた私の腕を離してくれる男性……
「い、いえ、そんなには。ですが…その貴方は? 失礼ですが、以前お会いしたことが有りまして?」
「いえ、こうして直接言葉を交わしたのは、今が初めてですよ」
「そ、そうでしたか。それで…その私に何かご用でも? 生憎私は、ここから退散しなければ為らないのですが。…その」
チラリと後ろを気にするが…未だ後ろでは騒ぎが聞こえる。
この騒ぎを利用して、外で待つであろう父達の所へ早く戻りたいのだけれど。
「ええ、分かって居ります。一連の騒ぎは観てましたので…その……」
「それでしたら、お分かりかと存じますが………私は急ぎますのでこれで失礼を」
「それは分かって…その…申し訳ないが少し話出来ないですか?」
「い、いえ、私はもうこれで」
な、なに?
そろそろ、離れてくれないかしら?
騒ぎが収まってしまうし、帰りたいのよ。私は殿下に婚約破棄されたばかりなのよ!
「そ、それなら!後で連絡しても?」
「……え、えそれでしたら。ですが、私は貴方のお名前も存じ挙げませんわ」
「……ああ、そうでしたね済まない。私はアンソニー・プラロース。その、プラロース公爵の者です」
「プ、プラロース家って……。そ、そうでしたか、それではご連絡をお待ちしております。では失礼を…」と膝を折り挨拶をしてその場を離れた。
い、一体なんだったのかしら?
私の婚約が破棄されたばかりなのに。
あんな場面を観て私に声を掛けて来るなんて。
度胸はあるけど…物好きなのか馬鹿なのか…分かりませんが。
それとも何か…
まあ、良いわ!それよりお父様達の待つ外へ行かないと!
会場の外へ出ると、そこにはお父様達が首を長くして待って居いてくれました。
ウフフ!何故か外に出たとたんに嬉しさが湧き出てくる。
やったわ勝った!
これで断罪イベントはオールクリアよ。
フフフ私は自由だわ!
会場では、未だなにか騒いでる声が聴こえてくるけど…王家の人達も、もう退場されて音楽が流れ始めた雰囲気ね。
私は、お父様とお兄様達が迎えてくれる。そしてお父様達に駆け寄りお父様に抱きついた。
「お父様、私……」
「ああ、分かってるよシェル。全て観ていたからな」
観てたの?何処まで観てたのかしら?
私がここに出てくる時には扉の近くに居なかったのに。
「全く…今回の事は、全てお前から聞かされていて、分かってたとはいえ…腹の立つ」
「お父様、お兄様……そうお怒りに為らなくても。私は大丈夫ですわよ? 陛下も王妃様もお優しい方でしたもの」
「ま、そうだな。だがあの女は許さんぞ? シェル!私の可愛い娘に恥をかかせたのだからな!」
「まあ、お父様ったら怖いわ!仮にもあれは聖女様ですわよ? フフフ」
「まぁ、騙す方が悪いのか、騙される方が悪いのかは分からんがな?」
「ええ、そうですわね?お兄様」
「さて、屋敷に帰るとするか?」
「「そうですね、帰りましょう」ええ、帰りたいわ」
父の掛け声にお兄様と私が返事をすると、会場に待たせて居た馬車に乗り込み屋敷に帰るのだった。
ああ~疲れたわぁ。
お腹空すいたし!お風呂に入りたいわ。
だが…シェルが会場を後にする時の出来事を観ていた人物が居た。
それは会場に居た卒業生、シェルの友人達とこの国の国王とその妃だった。
****
これにて断罪イベントは修了です。
すみませんだらだらと長くて。
どうにも纏まりが悪くて。
お気に入り登録ありがとうございます。
その男性を良く見れば卒業生ではあるのよ。
卒業生しかこの会場にはいないし、それを分かる様に生徒にはブルーの花飾りが付けられてる。
男性には胸元に。
女性は髪飾りにブルーの花が使われてるしね。
で、私の腕を掴む殿方の……お顔は思い出せない。
ごめんなさい。
私の長い学生生活では、殿方の友人は作れなかったのよ。
王家の目があったので。
要は、私に悪い虫が付かない様にと王家から監視をされていたって事。
王子がああなのに、私は監視付きってとっても理不尽よね。
以前王妃様に御相談したけど…「それは出来ないわ」と駄目出しされたのは記憶に新しい。
あ、また話が飛んだわね。
えっと…それでこの方はどちら様でしたかしら?
私この方に何かしたかしら?
「あ、あの………」
「あ、ああ、申し訳ない。腕が痛かったでしょうか? 軽く掴んだ積もりでしたが、貴女のその細腕には痛かったでしょうか? それでしたら申し訳ない」
そう言いって掴んでいた私の腕を離してくれる男性……
「い、いえ、そんなには。ですが…その貴方は? 失礼ですが、以前お会いしたことが有りまして?」
「いえ、こうして直接言葉を交わしたのは、今が初めてですよ」
「そ、そうでしたか。それで…その私に何かご用でも? 生憎私は、ここから退散しなければ為らないのですが。…その」
チラリと後ろを気にするが…未だ後ろでは騒ぎが聞こえる。
この騒ぎを利用して、外で待つであろう父達の所へ早く戻りたいのだけれど。
「ええ、分かって居ります。一連の騒ぎは観てましたので…その……」
「それでしたら、お分かりかと存じますが………私は急ぎますのでこれで失礼を」
「それは分かって…その…申し訳ないが少し話出来ないですか?」
「い、いえ、私はもうこれで」
な、なに?
そろそろ、離れてくれないかしら?
騒ぎが収まってしまうし、帰りたいのよ。私は殿下に婚約破棄されたばかりなのよ!
「そ、それなら!後で連絡しても?」
「……え、えそれでしたら。ですが、私は貴方のお名前も存じ挙げませんわ」
「……ああ、そうでしたね済まない。私はアンソニー・プラロース。その、プラロース公爵の者です」
「プ、プラロース家って……。そ、そうでしたか、それではご連絡をお待ちしております。では失礼を…」と膝を折り挨拶をしてその場を離れた。
い、一体なんだったのかしら?
私の婚約が破棄されたばかりなのに。
あんな場面を観て私に声を掛けて来るなんて。
度胸はあるけど…物好きなのか馬鹿なのか…分かりませんが。
それとも何か…
まあ、良いわ!それよりお父様達の待つ外へ行かないと!
会場の外へ出ると、そこにはお父様達が首を長くして待って居いてくれました。
ウフフ!何故か外に出たとたんに嬉しさが湧き出てくる。
やったわ勝った!
これで断罪イベントはオールクリアよ。
フフフ私は自由だわ!
会場では、未だなにか騒いでる声が聴こえてくるけど…王家の人達も、もう退場されて音楽が流れ始めた雰囲気ね。
私は、お父様とお兄様達が迎えてくれる。そしてお父様達に駆け寄りお父様に抱きついた。
「お父様、私……」
「ああ、分かってるよシェル。全て観ていたからな」
観てたの?何処まで観てたのかしら?
私がここに出てくる時には扉の近くに居なかったのに。
「全く…今回の事は、全てお前から聞かされていて、分かってたとはいえ…腹の立つ」
「お父様、お兄様……そうお怒りに為らなくても。私は大丈夫ですわよ? 陛下も王妃様もお優しい方でしたもの」
「ま、そうだな。だがあの女は許さんぞ? シェル!私の可愛い娘に恥をかかせたのだからな!」
「まあ、お父様ったら怖いわ!仮にもあれは聖女様ですわよ? フフフ」
「まぁ、騙す方が悪いのか、騙される方が悪いのかは分からんがな?」
「ええ、そうですわね?お兄様」
「さて、屋敷に帰るとするか?」
「「そうですね、帰りましょう」ええ、帰りたいわ」
父の掛け声にお兄様と私が返事をすると、会場に待たせて居た馬車に乗り込み屋敷に帰るのだった。
ああ~疲れたわぁ。
お腹空すいたし!お風呂に入りたいわ。
だが…シェルが会場を後にする時の出来事を観ていた人物が居た。
それは会場に居た卒業生、シェルの友人達とこの国の国王とその妃だった。
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これにて断罪イベントは修了です。
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